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Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像

ロッソ・フィオレンティーノ Rosso Fiorentino
1494-1540 | イタリア | マニエリスム

ポントルモと並びフィレンツェ、ローマなどで活躍したマニエリスム第一世代を代表する画家。初期のフィレンツェではデューラーなどの作風を学び、『十字架降下』など鮮烈な色彩で悲壮な視線を向ける、幻想的で独創的な人物像を描いた。1524年からはローマに居を移し、とラファエロの弟子やパルミジャニーノと交遊を築きながら礼拝堂などのフレスコ画を制作した。しかし1527年、ローマ略奪に巻き込まれイタリア国内を彷徨することとなる。1530年に辿り着いたヴェネツィアで同朋のアレティーノに再会し、彼からフランス国王フランソワ1世を紹介され、国王の希望もありフランスのフォンテーヌブローへ赴き、共同制作者を率いて宮殿内の壁面装飾をおこなった。この功績は後に、フォンテーヌブロー派と称される画流を形成するきっかけとなり、フランス美術の方向性に大きな影響を与えることになった。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
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玉座の聖母子と4人の聖人(オニサンティ祭壇画)
Madonna in trono con il Bambino e i quattro santi 1518年
172×141cm | Oil on panel | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

ロッソ・フィオレンティーノ、フィレンツェ時代初期の代表的な作品のひとつ『玉座の聖母子と4人の聖人』。1518年1月30日にフィレンツェのオニサンティ聖堂内祭壇画として依頼されたことからオニサンティ祭壇画とも呼ばれる本作は、玉座の聖母子と2天使を中心に、成人の姿で描かれる聖ヨハネとキリスト教四大神父のひとり聖ヒエロニムスを画面左に、キリスト教修道主義の創始者である聖アントニウスと疫病に対する守護聖人の聖セバスティアヌスを画面右に配する≪聖会話≫が主題となっており、幼子キリストの表現はマニエリスムらしく極端に上下に短い短縮法が用いられている。

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十字架降下 (Deposizione) 1521年
333×196cm | Oil on panel | ヴォルテッラ美術館

現在ヴォルテッラの市立美術館に所蔵されるロッソ・フィオレンティーノの最も有名な作品のひとつ『十字架降下』。磔刑に処されたキリストを十字架から降ろす場面を描く≪十字架降下≫を主題としながらも、キリストの甘美な表情、豊かな色彩、引き伸ばされ立体を強調した人体などそれまでに無い斬新な表現を用いられる点からもわかるように、ルネサンスでは見られなかった技巧的定義から独自の表現を確立したマニエリスムという様式の一面を最もよく表している作品でもある。また本作はロッソ・フィオレンティーノの働きかけによって1521年に十字架信心会のために制作され、サン・フランチェスコ聖堂に隣接した昼の十字架礼拝堂に置かれたとされている。画面中右に配される、両手で顔を覆う聖ヨハネの後ろに置かれたハシゴの一番下部分に画家の署名と制作年記が記されている。本作の最も大きな特徴であるこのキリストの肉体表現であるが、ミケランジェロ的解剖学の造形上の特徴を参照した形跡が認められている。また聖ヨハネの後ろに置かれたハシゴの一番下部分に画家の署名と年記『RVBEVS. FLO. FAC. A. S. MIDXXI』が記されている。

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玉座の聖母子と10人の聖人
Madonna in trono con il Bambino e i dieci santi 1522年
350×259cm | Oil on panel | ピッティ美術館(フィレンツェ)

画面中央の玉座の聖母子を中心に、十人もの諸聖人を配した大胆かつ広大な構図が魅力的な、ロッソ・フィオレンティーノが手がけたフィレンツェ時代の代表的な聖会話作品のひとつ『玉座の聖母子と10人の聖人』。フィレンツェのサント・スピリト聖堂内ディ家礼拝堂の祭壇画として制作された本作は、画家の手によって完成してから200年後の1700年頃に全体が拡大され、大幅に補筆されていることが記録に残っていて、現作品の大きさは350×259cmだが、当初の大きさは250×210cmと、一回り以上小さかった。大胆な短縮法を用いたマニエリスム的な作風も随所に見られ、画家の良作としても知られている。若干面長に描かれる聖母マリアと、それとは対称的に幼児性を存分に表現した短縮法を用いて描かれた幼子キリストの姿など成人の姿で描かれる人物は、マニエリスムの大きな特徴である引き伸ばされた頭身によって描かれている。また聖女聖カタリナで用いられた、当時奇抜な表現とされた衣服の色彩は、翌年描かれた画家の代表的な作品『聖母の結婚』にも用いられている。

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聖母の結婚(Sposalozio della Vergine)1523年
333×196cm | Oil on panel | San Lorenzo, Florence

マニエリスム第一世代を代表する画家、ロッソ・フィオレンティーノ フィレンツェ時代の名作『聖母の結婚』。本作の主題≪聖母の結婚≫とは、聖母マリアが14歳のときに、国中の独身者に一本杖を持たせて集め、杖の先に花の咲いた者を夫に選べという聖告に基づいて選ばれたヨセフが、他の求婚者や侍女たちが群れなす中、司祭の目前で聖母マリアに指輪をはめるという場面を指す。本作で最も大きな表現的特徴は人体のやや引き伸ばされた長身的な各登場人物の奇抜な描写にある。図像学的な伝統的色彩配色が用いられながらも、金属的な光沢感や明暗対比の強い立体的造形はマニエリスム様式の作品の中でも特に注目すべき表現であり、観る者に強い印象を与えている。また画面上部から下部までに配される20人以上の人物の多さも本作の特異的特長のひとつである。

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エテロの娘たちを救うモーセ (Mose difende le figlie)
1523年頃| 160×117cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館

フィレンツェ滞在時代最後の作品と推測されているロッソ・フィオレンティーノ屈指の代表作『エテロの娘たちを救うモーセ』。ジョヴァンニ・バンティーニの依頼により制作された本作の主題はユダヤの指導者で立法者でもある≪モーセの生涯≫の一場面であるが、それは当時、ロッソ・フィオレンティーノの最も関心の寄せていた主題でもあり、芸術家列伝の著者ヴァザーリによればロッソ・フィオレンティーノは、このモーセの生涯をかなり詳細に研究していたとされている。またシスティナ礼拝堂の天井画やヴァチカン宮殿内壁画の影響も指摘されていることから、一部ではフィレンツェの後に滞在したローマ時代に描かれたものだと見解を示す研究者もいる。本作では本場面は旧約聖書「出エジプト記」の第2章11-12節に記されている、エテロの娘たちを救ためにエジプト人を殴り倒すモーセを主題としながらも、勝利したモーセがチッポラに向かってミデヤンの羊飼いたちを井戸から追い払う場面という側面も持つ。

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死せるキリストと天使たち
(Cristo morto e gli angeli) 1527年
133.4x104cm | 油彩・板 | ボストン美術館

イタリアの優れた芸術家の生涯を綴ったヴァザーリの著書≪芸術家列伝≫によると、ローマ時代、トルナブオーリ司教のために描かれた作品とされるロッソ・フィオレンティーノの名作『死せるキリストと天使たち』。長い間行方が不明であったが1958年に再発見され、その後ボストン美術館が購入した本作の大きな特徴として第一に挙げられるのは、あたたかく、かつコントラストの強い光によって浮かび上がるキリストの洗練された肉体造形表現で、それまでの稜線による造形区分を特徴していた角張った造形を捨てて、前バロックとも取れる精巧でドラマティックな表現は画家ロッソ・フィオレンティーノの新たな一面が垣間見れる。やわらかくも、強い光で浮かび上がるキリストの裸体の表現は、ミケランジェロの影響も幾つか認められており、細部に至るまで精密に描写されている。また豪華に巻かれた頭髪と若々しく紅潮した頬、端正な顔立ちなど、随所に天使たる特徴を示しているが、この作品全体としては、死せるキリストの伝統的な構図は殆ど見受けられない。

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ピエタ (Pietà) 1532-33年頃
159×245cm | 油彩・板(画布) | ルーヴル美術館(パリ)

ロッソ・フィオレンティーノがフランス国王フランソワ1世の招きにより1530年から過ごしたフォンテーヌブロー時代の代表作『ピエタ』。フランス大元帥アンヌ・ド・モンモランシーのために制作された本作は、磔刑に処され死した受難者イエスの亡骸を抱き哀悼する姿≪ピエタ≫を描いたものであるが、その表現は極めて異質的であり画家の強烈な個性が存分に発揮されている。受難者イエスの土気色に染まった亡骸は≪死≫そのものであり、神性なる聖体としての表現を大きく逸脱している。またその体躯はマニエリスム様式特有の引き伸ばされた人体構図が用いられ、印象的な光彩表現が重なることによって、暗く沈んだ背景の中で際立って存在感を示している。他にも聖母マリアに見られる大げさな身振りやアリマタヤのヨセフ、マグダラのマリアの衣服の鮮烈で明瞭な色彩描写など画家の類稀な独創性と、独自の様式が随所に示されている。なお本作の制作年を画家の最晩年頃(1537-1540年)とする説も唱えられている。

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