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作品イメージ
homeページCollection常設展示マニエリスムパルミジャニーノ (Parmigianino)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2005/07/04掲載
【全体図】
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聖ヒエロニムスの幻視 (Visione di san Gerolamo) 1527年
343×149cm | Oil on panel | The National Gallery, London

マニエリスム全盛期に燦然と輝く活躍を残した画家パルミジャニーノの幻影的で特異的な作品『聖ヒエロニムスの幻視』。西方教会四大博士の一人で、3世紀から4世紀にかけて数々の功績と伝説を残した聖書学者で教父でもある聖人、聖ヒエロニムスが苦行の末に視た、威光に包まれ現れる聖母子と、それを指す洗礼者聖ヨハネの姿の幻影を、パルミジャニーノは特異とも取れる独特の人体表現と構図で描いた。画面下部では朱色の衣を下半身に纏った半裸の聖者ヒエロニムスが、深い瞑想によって大地に倒れ意識が薄れゆく姿と、挑戦的とも取れる眼差しで作品を見る者と視線を交わしながら、父なる神の光に包まれる栄光の聖母子の、絶対的な存在感を指し示す洗礼者聖ヨハネの姿は、そのドラマティックな一瞬を目の当たりにすることの重大さを、観者に問いかけているかのようであり、うねりにも似た運動性と躍動に満ちている。これに対し画面上部に配されている、神々しく威厳に満ちた光に包まれる聖母マリアと幼子イエスの姿は、それまで描かれてきた典型的な聖母子の姿とは決定的に異なり、特に幼子イエスは、幼児とは思えないほど長身で端正なプロポーションと表情をしているのが、大きな特徴である。


【深い瞑想で幻視する聖ヒエロニムス】
深い瞑想によって幻視する聖ヒエロニムス。聖ヒエロニムスはシリアの砂漠で隠者として数年間、苦行と瞑想の日々を送っている。また聖ヒエロニムスが横たわる大地に自生する様々な植物の細密な描写にも注目したい。
【絶対者を指し示す洗礼者聖ヨハネ】
絶対者の存在を指し示す洗礼者聖ヨハネ。この若々しい洗礼者の表現は、マニエリスム期の大きな特徴である運動性と躍動感に満ちており、後のバロック的表現を予感させるものでもある。
【父なる神の威光に包まれる聖母子】
父なる神の威光に包まれ登場する聖母子。神話に登場する諸女神をも思わせる聖母マリアは、輝くように表現された光と、そこに落とす陰影や黒雲の中から威厳を保ちながら姿を現し、厳粛な面持ちで黙視している。
【端正で神々しい幼きイエス】
端正で神々しい幼きイエス。この長身な幼子イエスはマニエリスムの特徴をよく示しており、均整の取れつつも引き伸ばされたプロポーションは、画家の理想を表現したものである。また、やや誇張気味な、そのポージングにも注目したい。
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