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聖ヨセフ伝 (Storie di san Giuseppe) 1515-1518年頃
35×142cm他 | 油彩・板 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー |
アンドレア・デル・サルトの工房に入り修行をしていたポントルモの、その独特で際立った個性が表れる最も初期の作品のひとつで、同画家の代表作でもある『聖ヨセフ伝』。主題は旧約聖書に登場するユダヤの族長ヤコブの11子である≪ヨセフ≫の生涯を描いたもので、ピエル・フランチェスコ・ボルケレーニの依頼により、デル・サルト、グラナッチ、バッキアッカなど当時の流行画家との競作によって全14点から制作された。制作年にまだ議論の余地が残されるなど、現在も研究は続けられているが、ポントルモが手がけた4点(兄弟から逃れるヨセフ、ポテパルに売られるヨセフ、料理長の処刑と給仕長の赦免、エジプトのセヨフ)は他の画家の作品と比べても、構想、空間構成、人物写実、色彩など、特に大きな個性を残している。
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