■ |
一万人のキリスト教徒の殉教 1529-1530年頃
(Undici milla martiri del Monte Ararat)
65×73cm | Oil on panel | フィレンツェ,ピッティ美術館 |
ポントルモのミケランジェロに対する深い考察と影響が伺える作品『一万人のキリスト教徒の殉教』。聖マウリティウスの殉教とも呼ばれることもある本作は、紀元前三世紀、デーベ地方に駐在していた、隊長聖マウリティウスを始めとするキリスト教徒兵士1万1千人が、あらゆる異教の儀式に参加することを拒絶したため、皇帝マクシミリアヌスの命によって虐殺された場面を描いたもので、フィレンツェのスペダーレ・デリ・インノチェンティのためにポントルモが制作した作品である。皇帝マクシミリアヌスの姿は、ミケランジェロが残した数々の作品との、表現の一致が認められており、今日では、それらを参考にし描かれたものだと推測される。また本作の参考として、同様の内容だが殉教の場面のみを描いた作品もウフィツィ美術館に残されており、その作品は一部にブロンズィーノの介入も認められている。
|