2010/05/01掲載
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アルトワ伯爵と妹クロチルドの肖像1763-64年(Portrait du comte d'Artois et sa sœur Madame Clotide) 129×97cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
大きな瞳が印象的なアルトワ伯爵。王家コレクションの名目で同家から注文を受けたドルーエが1763年に制作した本作は、ルイ16世の弟≪アルトワ伯爵≫とその妹≪クロチルド≫の幼少期の姿を描いた肖像画作品である。
【大きな瞳が印象的なアルトワ伯爵】
ふっくらとしたクロチルドの子供らしい表情。ドルーエ独特の瞳の表現に関して当時の著名な批評家ディドロは「彼(ドルーエ)は子供の眼の中に穏やかで軽やか、それでいて瑞々しい光の反射を描く。そこには子供らしい透明な生命の息吹が描き込まれている」と評している。
【ふっくらとしたクロチルド】
細部まで緻密に描写された衣服。穏やかで優美な田園風景の中に描かれるアルトワ伯爵とクロチルドの姿態や全体の構図にはやや作為的な印象を受けるものの、細部まで緻密に描き込まれた衣服や装飾品の描写には眼を見張るものがある。
【細部まで緻密に描写された衣服】 |