2011/10/06掲載
■
キューピッドの祭壇で祈る少女1767年(Jeune fille qui fait sa prière au pied de l'autel de l'Amour) 145.5×113cm | 油彩・画布 | ウォーレス・コレクション
恍惚の表情を浮かべるあどけない少女。本作はグールズが最も数多く手がけた≪少女像≫と古代的モティーフを組み合わせた古典主題作品で、しばしば風俗画家ではなく歴史画家としての成功を熱望していた画家の野心的表現の成長が指摘される。
【恍惚の表情を浮かべる少女】
少女に黄金の冠を授けるキューピッド像。少女の喜びと陶酔に満ちた表情や少女の身に着ける肌が薄く透き通る衣服の豊かな描写は観る者を強く惹きつけ、さらに薄暗く鬱蒼とした背景の森林が彼女とキューピッド像の関係性を強調することに成功している。
【黄金の冠を授けるキューピッド像】
極端な狭さを感じる奥行き。公開時、サロンでは狭すぎる奥行きや無理に歪む背景など空間構成的な矛盾や、少女の演劇的な描写に批判が集中した。
【極端な狭さを感じる奥行き】 |