Description of a work (作品の解説)
2010/02/25掲載
Work figure (作品図)
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ルイ十三世の誓願

 (The Vow of Louis XIII) 1824年
421×262cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

19世紀フランス新古典主義時代随一の画家ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルを代表する宗教画作品のひとつ『ルイ十三世の誓願』。ローマに滞在していたアングルがイタリアで名を馳せパリへと戻る前年の1824年に、画家の故郷モントーバンのノートル・ダム大聖堂の依頼によって制作された本作は、1638年の聖母被昇天の日(8月15日)にフランス国王ルイ13世が同家の守護聖人でもある聖母マリアと幼子イエスへ誓願する姿を主題に描かれる宗教画作品である。画面上部中央へ配される幼子イエスを抱く聖母マリアは神々しく輝く光に包まれながら厳粛で清廉な表情を浮かべている。この聖母マリアの姿はアングルがイタリアで強く影響を受けたルネサンス期の三大巨匠のひとりラファエロ・サンツィオの『システィーナの聖母』を模しているが、原図と比較するとアングル独特の堅牢的な形式性がより色濃く反映されている。また画面ほぼ中央に配される左右の緑色のカーテンを広げる2天使を境に、画面下部やや左側へ王を示す冠とブルボン家の紋章である百合が先端についた黄金の杖を聖母マリアへ差し出し誓願するルイ13世が描き込まれている。本作のやや過ぎた感も認められる古典様式を強く意識した堅硬な画面構成や色彩表現、極めて高度な写実的描写などは成熟期を迎えつつあるアングルの絵画的特徴がよく示されている。


【全体図】
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幼子イエスを抱く厳粛で清廉な聖母マリアの姿。画家の故郷モントーバンのノートル・ダム大聖堂の依頼によって制作された本作は、1638年の聖母被昇天の日(8月15日)にフランス国王ルイ13世が同家の守護聖人でもある聖母マリアと幼子イエスへ誓願する姿を主題に描かれた宗教画作品である。



【厳粛で清廉な聖母マリアの姿】
本作の名称が刻まれる銘版。聖母マリアの姿はアングルがイタリアで強く影響を受けたルネサンス期の三大巨匠のひとりラファエロ・サンツィオの『システィーナの聖母』を模しているが、原図と比較するとアングル独特の堅牢的な形式性がより色濃く反映されている。



【本作の名称が刻まれる銘版】
神の子と聖母へ誓願するフランス国王ルイ13世。画面ほぼ中央に配される左右の緑色のカーテンを広げる2天使を境に、画面下部やや左側へ王を示す冠とブルボン家の紋章である百合が先端についた黄金の杖を聖母マリアへ差し出し誓願するルイ13世が描き込まれている。



【神の子と聖母へ誓願するルイ13世】

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