2011/02/08掲載
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リヴィエール夫人の肖像(Portrait de Madame Rivière) 1805年 116.5×81.7cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
気品を感じさせるリヴィエール夫人の表情。画面中央に配された良質な光沢を放つ青い長椅子へ腰掛けるリヴィエール夫人は自然的な振る舞いと表情を浮かべているものの、その凛としつつ優しげな視線や堂々たる姿には高官の妻としての気品を強く感じることができる。
【気品を感じさせる夫人の表情】
艶やかな衣服の質感。リヴィエール夫人の長さの異なる左右の腕の描写(※下げられた右腕のみに注目すると異様に長いことがよく分かる)によって写実的な不自然さを感じさせず、静的な構成の中にダイナミズム的効果を発揮することに成功している。
【艶やかな衣服の質感】
緻密に描き込まれた豪奢なインド風の肩掛け。かつて『ショールの女』と呼称されていたほど、本作の中で特に観る者を惹きつける異国情緒の漂う豪華な長肩掛けは、画面右端から『リヴィエール夫人の左腕、左肩、首、右肩と緩やかな曲線を描くように掛けられ、そこから脱力的に下へ降ろされる右腕に沿うような形で動きがつけられている。
【豪奢なインド風の肩掛け】 |