Description of a work (作品の解説)
2010/09/09掲載
Work figure (作品図)
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聖サンフォリアンの殉教(聖シンフォリアヌスの殉教)


(Le martyre de saint Symphorien) 1834年
407×339cm | 油彩・画布 | サン・ラザール大聖堂(オータン)

フランス新古典主義最後の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルの大作『聖サンフォリアンの殉教』。フランス中西部ブルゴーニュ地域圏の都市オータンのサン・ラザール大聖堂の祭壇画として制作された本作は、同地で殉教した2〜3世紀頃の聖人≪サンフォリアン(シンフォリアヌスとも呼ばれる)≫が、異教の神である古代の地母神(農耕神)キュベレーへの信仰・礼拝を拒絶したことで同地の支配者から斬首の刑に処される前に母親が城壁の外から励ましの言葉を叫び、それに応えるという同聖人の最も知られる逸話を主題とした作品で、アングルは本作を10年の歳月をかけて建築物や登場人物が身に着ける衣服など細部にわたり教会の意向に合わせて描いたことが知られている。前景として画面中央やや右側へ配される簡素な白い衣服を身に着けた聖サンフォリアンは、斜め後ろ上部を振り返りながら父なる神への忠実な信仰心を示す古代の仕草である両の腕を高々と上げながら刑場へと連れ出されている。聖サンフォリアンの周囲には幾多の民衆、兵士、刑執行人の姿などが細密な筆使いで丹念に描かれており、それらは指差しをする赤衣の男を頂点に人山を形成している。そして画面左上には聖サンフォリアンの母親が息子の仕草と呼応するかのように両腕を広げて息子に励ましの言葉を投げかけている。1834年のサロン出品作としても知られる本作は、やや明度に乏しい色調や窮屈な群衆表現などによって新古典主義者たちから酷評を受け、失意の中でローマへと向かい同地のフランス・アカデミー院長として1840年まで国外に滞在している(※しかし本作はロマン主義者たちには高評価を受けていたと伝えられている)。


【全体図】
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両腕を掲げる聖サンフォリアンの姿。オータンのサン・ラザール大聖堂の祭壇画として本作は、同地で殉教した2〜3世紀頃の聖人≪サンフォリアン(シンフォリアヌスとも呼ばれる)≫の殉教を主題とした作品で、アングルは本作を10年の歳月をかけて建築物や登場人物が身に着ける衣服など細部にわたり教会の意向に合わせて描いたことが知られている。



【両腕を掲げる聖サンフォリアン】
息子を励ます聖サンフォリアンの母親。画面中央やや右側へ配される簡素な白い衣服を身に着けた聖サンフォリアンは、斜め後ろ上部を振り返りながら父なる神への忠実な信仰心を示す古代の仕草である両の腕を高々と上げながら刑場へと連れ出されており、画面左上には聖サンフォリアンの母親が息子の仕草と呼応するかのように両腕を広げて息子に励ましの言葉を投げかけている。



【息子を励ます母親の姿】
細部まで綿密に描写された群集。1834年のサロン出品作としても知られる本作は、やや明度に乏しい色調や窮屈な群衆表現などによって新古典主義者たちから酷評を受け、失意の中でローマへと向かい同地のフランス・アカデミー院長として1840年まで国外に滞在している(※しかし本作はロマン主義者たちには高評価を受けていたと伝えられている)。



【細部まで綿密に描写された群集】

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