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ユベール・ロベール Hubert Robert
1733-1808 | フランス | 新古典主義・風景画
18世紀のフランスを代表する新古典主義の風景画家。廃墟や古代建築物のある風景を得意とし、時には生命力溢れる人物を配置する知的で叙情豊かな風景表現で名を馳せ、人々からは廃墟の画家と呼ばれるほど人気を博す。また庭園設計や絵画管理者としての才能も発揮し、特に1790年代後半に参加したルーヴル宮改造計画における一連の諸作品は画家の才能が随所に発揮された傑作として名高い。1733年、スタンヴィル伯爵(後のショワズール公)の従者の息子としてパリで生を受け、彫刻家ミシェランジュ・スロッツなどにデッサンを学び、1754年からスタンヴィル伯爵に随行するかたちで、当時、遺跡発掘が流行していたローマへ入る。同地では伯爵の後援もありアカデミー・ド・フランスの給費生の地位を得るほか、ナポリ滞在時には後に
ロココ美術の巨匠となる
ジャン・オノレ・フラゴナールや古代美術の研究者サン=ノン師(牧師)と出会い強い影響を受け、記念的建築物や古代的風景作品を手がける。このイタリア滞在でユベール・ロベールは自身の画風を確立した。1765年にパリへ戻ると王立絵画・彫刻アカデミーの建築画家として正会員に迎えられ、様々な画題による優れた風景画を制作して数多くの顧客を得る。1777年からは王室庭園設計師に、さらに1784年からは王立美術館ルイ16世絵画コレクションの管理者に任命される。その後もルーヴル美術館の改造計画へ参加するなど精力的に仕事をこなすものの1808年に生地パリで死去。