Description of a work (作品の解説)
2006/04/05掲載
Work figure (作品図)
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サン・マルコ祭壇画

 (Pala di San Marco) 1438-1440年頃
220×227cm | テンペラ・板 | サン・マルコ美術館

フィレンツェ派を代表する画僧フラ・アンジェリコ随一となる聖会話作品の傑作『サン・マルコ祭壇画』。当時絶対的な権力者メディチ家の当主であり、偉大な芸術家の庇護者でもあったコジモ・ディ・メディチの依頼によりサン・マルコ修道院の為に制作された本作は、玉座に鎮座する聖母マリアとその腕に抱かれる幼子イエスを中心に各諸聖人を配した≪聖会話(サクラ・コンヴェルサツィオーネ)≫の最も早い作例のひとつとして、画家の作品の中でも特に重要視されている。また聖母マリアと幼子イエスを中心とした諸聖人との統一性を示す空間構成と、国際ゴシック様式に見られた聖母子の黄金色景背から逸脱し現実味を感じさせる糸杉や柘榴の森の背景、遠近的手法によって奥行きを表現される幾何学模様の絨毯など、本作において画僧フラ・アンジェリコは至るところに革新的な表現を用いている。聖母子の左部分には聖ラウレンティウス、福音書記者聖ヨハネ、福音書記者聖マルコを、右部分には聖ドミニクス、聖フランチェスコ、殉教者聖ペトルスを配し、画面下部にはメディチ家の守護聖人としても知られている聖コスマスと聖ダミアヌスが描かれており、聖母子との間に、互いに意識に関係性をもたらしている。


【全体図】
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玉座に鎮座する聖母マリアと幼子イエス。絶対的な権力者であり、偉大な芸術家の庇護者でもあったコジモ・ディ・メディチの依頼によりサン・マルコ修道院の為に制作された本作は、≪聖会話(サクラ・コンヴェルサツィオーネ)≫の最も早い作例のひとつとして、画家の作品の中でも特に重要視されている。



【玉座に鎮座する聖母マリアとイエス】
聖母子の左部分に配される聖ラウレンティウス、福音書記者聖ヨハネ、福音書記者聖マルコ。聖母マリアと幼子イエスを中心とした諸聖人との統一性を示す空間構成など、本作において画僧フラ・アンジェリコは至るところに革新的な表現を用いている。



【聖母子の左部分に配される諸聖人】
聖母子の左部分に配される聖ドミニクス、聖フランチェスコ、殉教者聖ペトルス。また国際ゴシック様式に見られた聖母子の黄金色景背から逸脱し現実味を感じさせる糸杉や柘榴の森の背景、遠近的手法によって奥行きを表現される幾何学模様の絨毯など本作の見所は多い。



【聖母子の右部分に配される諸聖人】
メディチ家の守護聖人としても知られている聖コスマスと聖ダミアヌス。聖コスマスと聖ダミアヌスはアラブア生まれの双生児で、病弱者に外科的医療をおこなったとされる聖人で、斬首によって殉教した。また同聖人は医師や薬剤師の守護聖人。



【聖コスマスと聖ダミアヌス】

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