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楽園 (Il Paradiso terrestre) 1570-1575年頃
77×109cm | 油彩・画布 | ドーリア・パンフィーリ美術館 |
ヴェネツィア派の巨匠ヤコポ・バッサーノの代表作『楽園』。本作に描かれるのは伝統的に旧約聖書において創造主である神が地上の塵から創り出した最初の人間アダムと、アダムの肋骨から生まれた最初の女性イブ(エヴァ)や野獣や家畜など大地に住まう動物らが暮らす楽園≪エデンの園≫とされる。本作において最も重要すべき点はバッサーノ一族の大きな特徴となるヴェネツィア派の影響を感じさせる潤沢な色彩と輝きを放つ光の表現に代表される情緒豊かな表現手法であり、諸動物を含める登場人物や繊細な光彩によって表される風景描写の自然的で純粋な表現によってヤコポ・バッサーノはヴェネツィアで随一の画家として広く認められることになった。本作に描かれるのは伝統的に旧約聖書において創造主である父なる神が創りだした楽園≪エデンの園≫とされているが、一部では否定的な意見も述べられている。
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