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聖アントニウスの誘惑 (The Temptation of St. Anthony)
1500-05年頃
135×190cm | Oil on panel | リスボン国立美術館 |
聖アントニウスの飛翔と墜落(左)、聖アントニウスの瞑想(右)の両翼をもったボス作品の特徴が存分に発揮されている祭壇画。この作品の主題≪聖アントニウスの誘惑≫とは、砂漠で修行中の聖アントニウスが悪魔の誘惑を受け、奇怪で生々しい幻想に襲われる場面を指し、誘惑に耐える聖アントニウスの信仰心が教義となっている。キリスト教の聖人、聖アントニウスとは、エジプト生まれの修道士で、貧困に喘ぐ者へ財産を与え砂漠に移り住み、隠修士として瞑想と苦行の生活を送った、修道院制度の創始者として考えられている人物で、中世以来、最も人気の高かった聖人のひとりでもある。
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