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ヒエロニムス・ボス (Hieronymus Bosch)
2006/08/20掲載
【全体図】
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■
最後の審判
(The Last Judgment) 1510年以降
164×247cm | 油彩・板 | ウィーン美術アカデミー付属美術館
初期ネーデルランド絵画史において最も重要な画家のひとりヒエロニムス・ボスを代表する宗教画のひとつ『最後の審判』。本作に描かれるのは、再度復活を遂げた神の子イエスが最後の日に再臨した後、全ての死者を復活させ、人類を善と悪に裁き天国と地獄に導くというキリスト教における最重要教義のひとつ≪最後の審判≫で、両翼裏に描かれるグリザイユ画イエス十二使徒のひとり
≪使徒ヤコブ(左)≫
がスペイン初代大司教としても知られるスペインの守護聖人であり、
≪ヘントの聖パヴォ(右)≫
がフランドル出身の悔悛者でフランドルの守護聖人であることから、依頼主と推測されるフィリップ美男公とカステリーリャ公妃ファナとの縁組の関係性が指摘されている。また一部の研究者からは、本作に関するこの両家の関係性を示すものとして、
アルテ・ピナコテークが所蔵する『最後の審判(断片)』
と何らかのつながりがあるとする説が唱えられている。図像的には登場人物こそ裁判者イエスを中心に聖母マリアを始めとした諸聖人や天使たちが配されるも、十字架や石柱など受難具が描かれていない点や、審判部分が画面全体の4分の1程度と極めて狭い範囲で描かれる点など伝統的図像から逸脱する部分も多い。また本作は16世紀や17世紀に数回塗り直されていることが近年の調査から判明しており、原図筆致の判別が非常に困難な状況であるほか、真筆か模写(又はヴァリアント)か議論も続いている。
関連:
両翼裏グリザイユ部分『使徒ヤコブ』『聖パヴォ』
関連:
アルテ・ピナコテーク所蔵『最後の審判(断片)』
【人類を裁く審判者イエス】
人類を裁く審判者イエス。本作に描かれるのは、再度復活を遂げた神の子イエスが最後の日に再臨した後、全ての死者を復活させ、人類を善と悪に裁き天国と地獄に導くというキリスト教における最重要教義のひとつ≪最後の審判≫である。
【画家の大きな特徴である異教的表現】
ヒエロニムス・ボスの大きな特徴である異教的な表現。本作の両翼裏に描かれるグリザイユ画イエス十二使徒のひとり
≪使徒ヤコブ(左)≫
がスペイン初代大司教としても知られるスペインの守護聖人であり、
≪ヘントの聖パヴォ(右)≫
がフランドル出身の悔悛者でフランドルの守護聖人であることから、依頼主と推測されるフィリップ美男公とカステリーリャ公妃ファナとの縁組の関係性が指摘されている。
【アダムとエヴァの物語が描かれる天国】
アダムとエヴァの物語が描かれる天国部分。図像的には登場人物こそ裁判者イエスを中心に聖母マリアを始めとした諸聖人や天使たちが配されるも、十字架や石柱など受難具が描かれていない点や、審判部分が画面全体の4分の1程度と極めて狭い範囲で描かれる点など伝統的図像から逸脱する部分も多い。
【悪魔から責め苦を受ける罪人】
罪を裁かれ悪魔から責め苦を受ける罪人。本作は16世紀や17世紀に数回塗り直されていることが近年の調査から判明しており、原図筆致の判別が非常に困難な状況であるほか、真筆か模写(又はヴァリアント)か議論も続いている。
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