Description of a work (作品の解説)
2006/05/10掲載
Work figure (作品図)
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書斎の聖アウグスティヌス

 (Sant' Agostino nello studio)
1480-1481年 | 152×112cm | フレスコ | オニサンティ聖堂

メディチ家の支配によってフィレンツェで隆盛を極めた人文主義的傾向に対する新たなる側面を見出したボッティチェリの、代表的な聖人像作品のひとつ『書斎の聖アウグスティヌス』。本来はフィレンツェのオニサンティ聖堂内壁画として描かれた本作に描かれる聖人≪聖アウグスティヌス≫は4世紀から5世紀にかけて活動をおこなったラテン教会四大博士のひとりで11世紀に創設された聖アウグスティノ教会の教祖としても知られる、キリスト教で最も著名な聖人のひとりであるが、本作では牧歌的で大らかな人文主義的傾向を逸脱し、精神的な不安定を感じさせる人物の表情などに1478年に起こったジュリアーノ・メディチ暗殺事件の影響が感じられる。またヴェスプッチ家の依頼により手がけられた本作は、同聖堂内壁画として制作されたギルランダイオによる『書斎の聖ヒエロニムス』と対をなす作品としても知られており、両作品とも制作年代もほぼ一致という見解がなされている。

関連:ギルランダイオ作『書斎の聖ヒエロニムス』


【全体図】
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強ばった表情の聖アウグスティヌス。本作に描かれる聖人≪聖アウグスティヌス≫は4世紀から5世紀にかけて活動をおこなったラテン教会四大博士のひとりで11世紀に創設された聖アウグスティノ教会の教祖としても知られる、キリスト教で最も著名な聖人のひとりである。



【強ばった表情の聖アウグスティヌス】
聖アウグスティヌスのアトリビュートである司教冠。本作ではメディチ家の支配によってフィレンツェで隆盛を極めた牧歌的で大らかな人文主義的傾向を逸脱し、精神的な不安定を感じさせる人物の表情などに1478年に起こったジュリアーノ・メディチ暗殺事件の影響が感じられる。



【聖アウグスティヌスを示す司教冠】

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