2006/01/26掲載
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東方三博士の礼拝(Adorazione dei Magi) 1475年頃111×134cm | テンペラ・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
敬虔な姿の聖母マリア。繊細でありながら優美で洗練された線描手法は、ボッティチェリの作風の大きな特徴であり、本作においても登場人物の表現や背景描写などに示されている。
【敬虔な姿の聖母マリア】
聖母子の前に跪くコジモ・デ・メディチ。本作の最も大きな特徴は権力者であったメディチ家の主だった人物や当時の知識人などが描き込まれている点にあり、特にコジモ・デ・メディチを始めとした絶対的な権力者は、場面においても重要な人物として描き込まれている。
【聖母子の前に跪くコジモ・デ・メディチ】
画面中央に描かれるピエロ・デ・メディチ(左)とジョヴァンニ・デ・メディチ(右)。本作に登場する人物でも、聖母子に近い場所に配されたり、赤・白などの豪華な衣服に身を包む者は当時の重要な人物である。
【ピエロとジョヴァンニ】
詩人ポリツィアーノ(左)と哲学者ピコ・デラ・ミランドラ(右)。またピコ・デラ・ミランドラの後ろの白い衣服を身に纏うのはロレンツォ・イル・マルフォイと考えられている。
【ポリツィアーノとピコ・デラ・ミランドラ】
ジュリアーノ・デ・メディチ(左)と青い服を着た初老の男が本作の注文主であるラーマ。本作はフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂内ガスパーレ・ディ・ザノービ・ダル・ラーマ祭壇に置かれた後、現在はウフィツィ美術館に所蔵されている。
【ジュリアーノと注文主ラーマ】
ボッティチェリ自身の肖像とされる人物。本作の主題≪東方三博士の礼拝≫救世主イエスの降誕を告げる新星を発見した東方の三人の王が、エルサレムでヘロデ王にその出生地を聞いた後、星に導かれベツレヘムの地でイエスを礼拝する場面で、最も好まれた主題のひとつでもある。
【ボッティチェリ自身の肖像とされる人物】 |