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子供の遊戯 (Children's Games) 1560年頃
118×161cm | 油彩・板 | ウィーン美術史美術館 |
16世紀ネーデルランド美術史を代表する大画家ピーテル・ブリューゲルの特徴が良く示される作品のひとつ『子供の遊戯』。美術史家カレル・ヴァン・マンデルの伝記で始めて言及され、オーストリアのエルンスト大公に譲渡された後、現在はウィーン美術史美術館が所蔵する本作は、男女問わず数多くの子供たちが遊戯に興じている場面を描いた作品で、ブリューゲルの類稀な傑作『ネーデルランドの諺』同様、ひとつの画面内に様々な人々の様子を示した最初期の群集構図作例のひとつである。古くから人間(特に大人)活動における社会的規範から外れた罪深い行為や嗜好の寓意的表現と解釈される本作であるが、近年の研究によって人生の四段階(幼年期、青年期、中年期、老年期)中、若さを示す≪幼年期≫の寓意的解釈が唱えられている。また当時の遊戯を網羅した百科事典的性格も併せ持つ本作には260人余りの子供らによる約90種類の遊戯が示されている。
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