Description of a work (作品の解説)
2006/07/03掲載
Work figure (作品図)
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ろうそくの聖母(玉座の聖母子)

 1492年頃
(Madonna della candeletta (Madonna col Bambino in trono))
218×75cm | テンペラ・板 | ブレラ美術館(ミラノ)

15世紀ヴェネツィア出身の画家の中において、類稀な存在感を示すカルロ・クリヴェッリ晩年を代表する傑作『ろうそくの聖母』。クリヴェッリの晩年(1492年頃)に、カメリーノ大聖堂多翼祭壇画の主画面部分として手がけられた本作に描かれるのは、豪壮で華麗な玉座に鎮座する聖母マリアと、その腕に抱かれる幼子イエスの典型的な≪玉座の聖母子≫の図像である。カメリーノ大聖堂多翼祭壇画は、主部分の本作に左画面部分へ『聖ペテロと聖パウロ』(左半分破損)が、右画面部分に『聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌス』が配されるほか、12枚のプレデッラ部分と、チマーザ部分『キリストの磔刑』から構成された祭壇画で、18世紀に起こった地震の為にサン・ドメニコ聖堂へ移された後、各地へと分散した。各部分ともカルロ・クリヴェッリらしい豪華な装飾と金属的で硬質な線描の表現が示されるが、中でも幼子イエスが手にする蝋燭から名前が由来する本作『ろうそくの聖母』の深い悲観性に溢れた聖母マリアの静謐ながら複雑さを感じさせる表情や、各部分に高い写実性と画家独自の過剰とも捉えることのできる豪華な表現から、カルロ・クリヴェッリ晩年期の傑作として広く知られている。

関連:左画面部分『聖ペテロと聖パウロ』
関連:右画面部分『聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌス』
関連:チマーザ部分『キリストの磔刑』


【全体図】
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静謐ながら複雑さを感じさせる聖母マリアの表情。クリヴェッリの晩年(1492年頃)に、カメリーノ大聖堂多翼祭壇画の主画面部分として手がけられた本作に描かれるのは、豪壮で華麗な玉座に鎮座する聖母マリアと、その腕に抱かれる幼子イエスの典型的な≪玉座の聖母子≫の図像である。



【複雑さを感じさせる聖母マリアの表情】
聖母マリアに抱かれる幼子イエス。幼子イエスの手にする蝋燭から本作の別名『ろうそくの聖母』が由来する。本作の深い悲観性に溢れた聖母マリアの静謐ながら複雑さを感じさせる表情や、各部分に高い写実性と画家独自の過剰とも捉えることのできる豪華な表現から、カルロ・クリヴェッリ晩年期の傑作として広く知られている。



【聖母マリアに抱かれる幼子イエス】
聖ペテロと聖パウロ。カメリーノ大聖堂多翼祭壇画は、18世紀に起こった地震の為にサン・ドメニコ聖堂へ移された後、各地へと分散し、おそらくそのどこかの段階で左画面部分『聖ペテロと聖パウロ』の左半分が破損したと考えられている。
関連:左画面部分『聖ペテロと聖パウロ』



【聖ペテロと聖パウロ】
聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌス。『ろうそくの聖母』が主部分として制作されたカメリーノ大聖堂多翼祭壇画は、に左画面部分へ『聖ペテロと聖パウロ』(左半分破損)が、右画面部分に『聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌス』が配されるほか、12枚のプレデッラ部分と、チマーザ部分『キリストの磔刑』から構成された祭壇画である。
関連:右画面部分『聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌス』



【聖ヒエロニムスと聖アウグスティヌス】

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