Description of a work (作品の解説)
2004/09/19掲載
Work figure (作品図)
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聖アンナと聖母子

 1508-1510年
(Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnllo)
168×112cm | 油彩・板 | ルーヴル美術館(パリ)

完成していればレオナルドの最高傑作のひとつとして数えられていたであろう、晩年期に制作された未完の大作『聖アンナと聖母子』。主題の≪謙譲の聖母子≫にマリアの母アンナがその膝に母子(聖母マリアとキリスト)を抱くというあまり例のない構図で描かれた本作は、画家の生涯で二度目となったミラノ滞在中、当時のフランス国王ルイ12世のために制作された作品だと考えられている。また未完とはいえ、人物の柔らかくも甘美さを併せ持つ表情や、スフマートで描かれる卓越した表現技法などから、多くの画家がこの作品を模写している。キリストに手を差し伸べ抱き上げる聖母マリアは、新約聖書ルカ福音書では、夫となる聖ヨセフとの婚約中、大天使ガブリエルから受胎告知を受けたとされる。五世紀前半からは神(キリスト)の母や無原罪の女性として崇敬の対象となった。この世の終焉に現れるメシア(救世主)とされる羊と戯れる幼子キリストの名称は元来、油を塗られた者の意で、王に与えられる称号であった。夫であるヨアヒムと20年近く連れ添いできた始めての子供で、聖母マリアの母として知られる聖アンナの我が子(マリア)と孫のキリストを見つめる表情は、聖者に相応しく穏やかさと慈しみに満ちている。

関連:『聖アンナと聖母子(画稿・習作)』


【全体図】
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夫であるヨアヒムと20年近く連れ添いできた始めての子供で、聖母マリアの母として知られる聖アンナの我が子(マリア)と孫のキリストを見つめる表情は、聖者に相応しく穏やかさと慈しみに満ちている。



【マリアの母、聖アンナ】
キリストに手を差し伸べ抱き上げる聖母マリア。新約聖書ルカ福音書では、夫となる聖ヨセフとの婚約中、大天使ガブリエルから受胎告知を受けたとされる。五世紀前半からは神(キリスト)の母や無原罪の女性として崇敬の対象となった。



【我が子を抱き上げるマリア】
羊と戯れる幼子キリスト。この世の終焉に現れるメシア(救世主)とされるキリストの名称は元来、油を塗られた者の意で、王に与えられる称号であった。



【羊と戯れる幼子キリスト】

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