Description of a work (作品の解説)
2005/06/13掲載
Work figure (作品図)
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ブノワの聖母(幼児キリストに花を差し伸べる聖母)


(Madonna Benois (Madonna che porge un fiore al Bambino))
1475-78年頃
48×31cm | 油彩・板 (画布) | エルミタージュ美術館

ロシアが誇る美の殿堂、エルミタージュ美術館の至宝、レオナルド・ダ・ヴィンチ初期の作品『ブノワの聖母』。やや硬さを感じる聖母マリアの左手、幼児キリスト右脚の厳しい明暗や境界線など、レオナルドらしさが存分には感じられず、画家屈指の名作とは呼べないまでも、作品が持つ気品や慈愛に満ちた聖母の表情は、初期の作品とは思えないほど優雅かつ繊細に描かれている。本作は名門貴族クラーキン公のコレクションからフランスの画家レオン・ブノワの手に渡り、その後、ロシア皇帝ニコライ2世が購入したことから『ブノワの聖母』と呼ばれることとなった。また画面右上の白々とした窓の風景は未完成の為、又はレオナルド自身が塗りつぶしたなどの理由が推測されている。レオナルド独自の技法『スフマート(ぼかし技法)』によって表現される聖母の輪郭は、暗い背景に溶け込み、慈愛に満ちた聖母の人物をより際立たせている。聖母マリアが差し伸べた小さな花を見つめる幼児キリストの表情は幼いながらも気高さと神々しさを放ち、救世主であると同時に絶対者としての威厳に満ちている。なお画面右上の白々とした窓の風景に関しては未完成とする説、レオナルド自身が塗りつぶしたとする説などの様々な理由が推測されている。


【全体図】
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慈愛に満ちた聖母の表情。レオナルド独自の技法『スフマート(ぼかし技法)』によって表現される聖母の輪郭は、暗い背景に溶け込み、人物をより際立たせている。



【慈愛に満ちた聖母の表情】
聖母マリアが差し伸べた小さな花を見つめる幼児キリスト。イエスの表情は幼いながらも気高さと神々しさを放ち、救世主であると同時に、絶対者としての威厳に満ちている。



【差し伸べられる花を見つめるキリスト】
白々とした窓の風景。この画面右上の白々とした窓の風景に関しては未完成とする説、レオナルド自身が塗りつぶしたとする説などの様々な理由が推測されている。



【白々とした窓の風景】

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