Description of a work (作品の解説)
2009/09/08掲載
Work figure (作品図)
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東方三博士の礼拝


(Adorazione dei Magi) 1481-82年頃
246×243cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

ルネサンス三大巨匠のひとりレオナルド・ダ・ヴィンチ未完の傑作『東方三博士の礼拝』。本作はフィレンツェ郊外サン・ドナート・ア・スコペート修道院の注文により同修道院の中央祭壇画として制作された作品で、主題には未来のユダヤの王たる神の子イエスの降誕を告げる新星を発見した東方の三人の王(一般的にはメルヒオール、カスパル、バルタザールとされる)が、エルサレムでヘロデ王にその出生地を聞いた後、星に導かれベツレヘムの地で神の子イエスを礼拝し、王権への敬意を示す黄金、神性への敬意を象徴する乳香、受難の予兆であるとされる没薬(没薬は当時、死体の保存に使われていた)を捧げる場面≪東方三博士の礼拝≫が描かれている。本作は1482年にレオナルドがミラノへと向かった為、モノクロームの状態(未完状態)でフィレンツェに残された作品で、1621年にはその所有権がメディチ家へと移行している。前景では画面中央に配される聖母マリアと幼子イエスを中心に、東方の三王や民衆たちが円状に囲みながら平伏すような姿で聖母子を礼拝している。そこでは様々な人物において性格付けや行動的人間性が示されており、レオナルドの自然主義的側面が明確に表されている。さらに後景左側には廃墟的な階段や建築物、後景右側には騎馬の一団が描き込まれており、画面内の空間構成や構図展開において類稀な革新性を見出すことができる。さらに主題の解釈においても、当時、問題視されることになった主の御公現(エピファニア。主イエスへの公式的礼拝)を意識させる内容が示されており、レオナルドのそれまでの伝統に捉われない挑戦的な意図が感じられる。


【全体図】
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画面中央に配される聖母マリア。本作はフィレンツェ郊外サン・ドナート・ア・スコペート修道院の注文により同修道院の中央祭壇画として制作された作品で、主題には≪東方三博士の礼拝≫が描かれている。



【画面中央に配される聖母マリア】
贈り物を受け取る幼子イエス。前景では画面中央に配される聖母マリアと幼子イエスを中心に、東方の三王や民衆たちが円状に囲みながら平伏すような姿で聖母子を礼拝している。そこでは様々な人物において性格付けや行動的人間性が示されており、レオナルドの自然主義的側面が明確に表されている。



【贈り物を受け取る幼子イエス】
降誕した神の子イエスを礼拝する三王。主題の解釈においても、当時、問題視されることになった主の御公現(主イエスへの公式的礼拝)を意識させる内容が示されており、レオナルドのそれまでの伝統に捉われない挑戦的な意図が感じられる。



【降誕したイエスを礼拝する三王】
遠近法が用いられる後景の階段。後景左側には廃墟的な階段や建築物、後景右側には騎馬の一団が描き込まれており、画面内の空間構成や構図展開において類稀な革新性を見出すことができる。



【遠近法が用いられる後景の階段】

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