Description of a work (作品の解説)
2006/07/02掲載
Work figure (作品図)
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聖家族

 (Sacra Famiglia) 1528-29年頃
169.2×172.8cm | 油彩・画布 | エリザベス二世女王より貸出

16世紀北イタリアで異彩を放つ大画家ドッソ・ドッシを代表する宗教的主題作品ひとつ『聖家族』。本作に描かれるのは、降誕した神の子イエスに聖母マリアや聖母マリアの母聖アンナを配した≪聖家族≫と解釈されているが、ドッソ・ドッシの難解で文学的な表現が幾つか画面の中に散りばめられており、その代表的なものとして、現在も議論され続けている幼子イエスが抱く鶏が上げられる。最も一般的な解釈として、主イエスがユダの裏切りによって逮捕された時に、カイアファの家でキリスト十二弟子の筆頭である聖ペトロがイエスの弟子かと問われ、それを三度否定することを主イエス自らが最後の晩餐時に予告していた≪聖ペトロの悔恨≫の逸話中、主イエスが聖ペトロに言った言葉「あなたは鶏が鳴く前に三度、私を知らないと言うだろう」の予告的描写だとされている。本作の暗中に浮かび上がる聖母マリアを始めとした諸聖人に示される大胆な光彩表現や、全体的に暗い色調の中で絶妙なアクセントになる鮮やかで豊かな色彩配置はドッソ・ドッシの大きな特徴であり、本作においてそれは最も効果的な表現手法として観る者を圧倒する。なお画面左上に配される諸聖人は1627年の目録では聖ペトロと聖パウロとされているも、現在では聖母マリアの夫である聖ヨセフと解釈する説など諸説唱えられている。


【全体図】
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暗中に浮かび上がる聖母マリア。本作に描かれるのは、降誕した神の子イエスに聖母マリアや聖母マリアの母聖アンナを配した≪聖家族≫と解釈されている。



【暗中に浮かび上がる聖母マリア】
顔に影の落ちる幼子イエス。本作にはドッソ・ドッシの難解で文学的な表現が幾つか画面の中に散りばめられており、その代表的なものとして、現在も議論され続けている幼子イエスが抱く鶏が上げられる。



【顔に影の落ちる幼子イエス】
聖母マリアの母聖アンナ。幼子イエスが抱く鶏は≪聖ペトロの悔恨≫の逸話中、主イエスが聖ペトロに言った言葉「あなたは鶏が鳴く前に三度、私を知らないと言うだろう」の予告的描写だとされている。



【聖母マリアの母聖アンナ】
聖ペトロと聖パウロと解釈される聖人たち。本作の暗中に浮かび上がる聖母マリアを始めとした諸聖人に示される大胆な光彩表現や、全体的に暗い色調の中で絶妙なアクセントになる鮮やかで豊かな色彩配置はドッソ・ドッシの大きな特徴であり、本作において最も効果的な表現手法として観る者を圧倒する。



【聖ペトロと聖パウロと解釈される聖人】

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