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四人の使徒 (Die zwei Apostel) 1526年
67×49cm | Oil on panel | Alte Pinakothek, Munich |
ドイツ人画家として最高地位に君臨するドイツ・ルネサンスの偉大なる巨人アルブレヒト・デューラーが晩年に達した宗教観の境地を集約した屈指の代表作『四人の使徒』。ルネサンス時代に流行したヒポクラテスの体液説に基づき、人間の気質を4つのタイプ別に分類し表現した作品と解釈され、楽天的で快活であるが、激しやすい気質の≪多血質≫、感情の変化や活気に乏しいが、粘り強く勤勉な気質≪粘液質≫、わずかなことでも誇大に考えて取り越し苦労をし、いつもくよくよして心が晴れない性質≪憂鬱質≫、そして激情的で怒りっぽい気質≪胆汁質≫の4気質を、キリスト十二使徒の姿で描いた。本作では洗礼者聖ヨハネは楽天的で快活であるが、激しやすい気質の≪多血質≫の気質を表し、聖ペテロは感情の変化や活気に乏しいが、粘り強く勤勉な気質≪粘液質≫を表現したものであると解釈される。また聖パウロは、わずかなことでも誇大に考えて取り越し苦労をし、いつもくよくよして心が晴れない性質≪憂鬱質(黒胆汁質とも呼ばれる)≫を表し、福音書の記者でもある聖マルコは、激情的で怒りっぽい気質≪胆汁質≫を表現したものであると解釈されている。
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