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東方三博士の礼拝 (Die Anbetung der Konige) 1504年
100×144cm | Oil on panel | Galleria degli Uffizi, Florence |
初期のデューラーが手がけた祭壇画の代表的な作品『東方三博士の礼拝』。ウフィツィ美術館が現在所蔵する本作はフリードリヒ賢明公の依頼を受け制作されたもので、背景に描かれた小屋や、円形アーチの建築物によって強調される遠近法を用いた空間処理など、1494年から1495年までのヴェネツィア留学の成果が随所に表れている。また画家は遠近法を用いた空間処理のほか、ルネサンス独特の繊細に表現される人物の表情や感情の表現もヴェネツィア留学で学んだとされている。三王の礼拝、マギの礼拝とも呼ばれている本作の主題≪東方三博士の礼拝≫は未来のユダヤの王イエスの降誕に際し、東方の三博士が星に導かれ幼子キリストの下を訪れ礼拝と黄金、乳香、没薬の3つの贈り物を捧げる場面で、キリスト教の祭壇画において最もポピュラーな主題のひとつである。中でも乳香は父なる神への礼拝の証として、また当時死体の防腐剤として使用されていた没薬は、キリストの(御体の)永遠性を示すと解釈されている。
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