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ヘント(ゲント)の祭壇画(The Ghent Altarpiece)1425-32年
350.5×460cm | 油彩・板 | シント・バーフ大聖堂(ヘント) |
兄ヒューベルトの死後、エイクが制作を引き継ぎ、エイク兄弟のみならず、15世紀ネーデルランド絵画の代表する作品となった傑作『ヘントの祭壇画(ゲントの祭壇画)』。主題は開扉時下段中央に描かれている≪子羊の礼拝≫だが、上段部分、閉扉時部分に見られる細心綿密な写実描写など本作には特筆すべき点が多い。本祭壇画の開扉時下段中央に描かれている主題≪子羊の礼拝≫。ヨハネの黙示録に記される『諸聖徒日(天上諸聖徒と殉教者を祭る11月1日)』の場面を描いたとされる(拡大表示)。真紅の衣を纏い装飾的な玉座に座る、信仰・崇拝・儀礼・神話・教義などの中心となる位格・存在、キリスト教においての超越的絶対者の父なる神や、典型衣装とも云うべき濃紺の衣をまとう聖なる神の教典を読む聖母マリア、神の審判が迫ることを説き、人々に悔い改めの証として洗礼を施した、洗礼者聖ヨハネの描写は現実性を強く感じさせるほど、写実的描写を用いて描かれている。これらの表現に画家の完成された(絵画技法的)技術と優れた才能を感じさせる。なお開扉時の左下段翼部分≪正義の審判者≫(参照)は1934年盗難にあい行方不明のままで、現在は複製画が入る。
関連:祭壇画全体図(開)/各部分名称図
関連:祭壇画全体図(閉)/各部分名称図
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