Description of a work (作品の解説)
2006/04/06掲載
Work figure (作品図)
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受胎告知

 (Annunciazione) 1440-1442年頃
175×183cm | テンペラ・板 | サン・ロレンツォ聖堂

初期ルネサンスを代表する画家フィリッポ・リッピの類稀な傑作『受胎告知』。サン・ロレンツォ聖堂の再建者のひとりニッコロ・マルテッリの墓標がある礼拝堂の所有者(奉仕団員)から、当時名を馳せていたフィリッポ・リッピに委嘱され制作された本作は、父なる神の子イエスを宿す聖なる器に選定され聖胎したことを告げる大天使ガブリエルと、それを静粛に受ける聖母マリアの新約聖書における重要な場面のひとつ≪受胎告知≫を主題に描かれている。本作では明瞭な色彩と、自然に則し統一性に富んだ空間構成、人物描写の豊かな運動性など初期ルネサンスにおけるフィレンツェ派の重要な要素が随所に示されており、画家フィリッポ・リッピの類稀な画才が存分に堪能できる。また画面手前のガラスの小瓶などの現実世界を感じさせる写実的描写には初期ネーデルランド絵画の影響も指摘されており、本作中では現実との掛け橋的な存在としても一翼を担っている。


【全体図】
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聖胎を静粛に受ける聖母マリア。本作はサン・ロレンツォ聖堂の再建者のひとりニッコロ・マルテッリの墓標がある礼拝堂の所有者(奉仕団員)から、当時名を馳せていたフィリッポ・リッピに委嘱され制作された作品である。



【聖胎を静粛に受ける聖母マリア】
聖母マリアに聖胎を告げる大天使ガブリエル。本作の主題≪受胎告知≫は、父なる神の子イエスを宿す聖なる器に選定され聖胎したことを告げる大天使ガブリエルと、それを静粛に受ける聖母マリアの新約聖書における重要な場面のひとつ。



【聖胎を告げる大天使ガブリエル】
受胎告知場面を見守る天使たち。明瞭な色彩と、自然に則し統一性に富んだ空間構成、人物描写の豊かな運動性など初期ルネサンスにおけるフィレンツェ派の重要な要素が随所に示され、画家フィリッポ・リッピの類稀な画才が存分に堪能できる。



【受胎告知場面を見守る天使たち】
現実世界を感じさせるガラスの小瓶。画面手前のガラスの小瓶などの現実世界を感じさせる写実的描写には初期ネーデルランド絵画の影響も指摘されており、本作中では現実との掛け橋的な存在としても一翼を担っている。



【現実世界を感じさせるガラスの小瓶】

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