Description of a work (作品の解説)
2006/01/05掲載
Work figure (作品図)
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聖母子と天使

 (Madonna col Bambino e angeli) 1465年頃
95×62cm | テンペラ・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

初期ルネサンスを代表するフィレンツェ派の巨匠フィリッポ・リッピが晩年に手がけた聖母子像の最高傑作であり、最も良く知られる作品のひとつ『聖母子と天使』。本作は、伝統的な構図に配された聖母マリアと幼子イエスの姿≪聖母子≫に2人の天使を配し描かれた作品で、立体を感じる情緒豊かな背景描写やトロンプ=ルイユ(だまし絵)的にも捉えることのできる枠を用いるなど、各部にわたり繊細で高度な技術が為されているが、特筆すべきは聖母マリアのあまりにも甘美で官能的な表現にある。聖母マリアの息子イエスを見つめる視線は、我が子への慈愛と未来への不安の表情が虚ろいながら複雑に入り混じり、独特でありながらも聖母の感情を見事に表現している。また古くから聖母マリアは駆け落ちし、結婚までおこなった修道女ルクレツィア・ブーティを、幼子イエスは息子フィリッピーノ・リッピをモデルに描いたと考えられているも、その根拠は示されておらず不明である。


【全体図】
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甘美で官能的な聖母マリアの息子イエスを見つめる視線。我が子への慈愛と未来への不安の表情が虚ろいながら複雑に入り混じり、独特でありながらも聖母の感情を見事に表現している。



【甘美で官能的な聖母マリアの視線】
気高い表情をみせる幼子イエス。また本作について古くから聖母マリアは駆け落ちし、結婚までおこなった修道女ルクレツィア・ブーティを、幼子イエスは息子フィリッピーノ・リッピをモデルに描いたと考えられているも、その根拠は示されていない。



【気高い表情をみせる幼子イエス】
立体を感じる情緒豊かな背景描写。伝統的な構図に配された聖母マリアと幼子イエスの姿≪聖母子≫に2人の天使を配し描かれた本作は、立体を感じる情緒豊かな背景描写やトロンプ=ルイユ(だまし絵)的にも捉えることのできる枠を用いるなど、各部にわたり繊細で高度な技術が為されている。



【立体を感じる情緒豊かな背景描写】

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