Description of a work (作品の解説)
2006/06/11掲載
Work figure (作品図)
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聖母戴冠(スポレート大聖堂『聖母の生涯』天井画)


(Incoronazione della Vergine (Storie della Vergine))
1466-69年頃 | フレスコ | スポレート大聖堂

フィレンツェ派の巨匠フィリッポ・リッピの遺作となるスポレート大聖堂の装飾壁画≪聖母の生涯≫の天井画として描かれた画家最後の傑作『聖母戴冠』。本作の主題≪聖母戴冠≫とは、聖母マリアが大天使ミカエルから自身の臨終を聖告され、今一度、息子イエスの弟子達に会いたいと願い、皆が雲に乗って集まった中、三日後にその時を迎え魂が昇天するも、魂が肉体に戻され、再び肉体と共に昇天し父なる神より受冠される場面で、明瞭な線描と豊かな色彩を用いながら深い精神性を携えた静謐さを感じさせる人物描写が特徴的である。また本作では聖母マリアの受冠を中心に、左右の対象性を意識し描かれていることが構図から示されている。なおフィリッポ・リッピはスポレート大聖堂の天井画『聖母戴冠』を工房の手を借りながら1468年にある程度まで完成させるも病に伏し、翌年10月に死去した為、天井画部分は息子のフィリッピーノ・リッピが、壁画部分は弟子のフラ・ディアマンテが後を引き継ぎ完成させたとされている。

関連:スポレート大聖堂『聖母戴冠』全体図(洗浄前)


【全体図】
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聖母マリアを祝福し冠を授ける父なる神。フィレンツェ派の巨匠フィリッポ・リッピの遺作となる本作『聖母戴冠』は、スポレート大聖堂の装飾壁画≪聖母の生涯≫の天井画として描かれた。



【聖母マリアに冠を授ける父なる神】
父なる神より受冠される聖母マリア。本作の主題≪聖母戴冠≫とは、肉体と魂が昇天した聖母マリアへ父なる神が冠を授ける重要な場面であり、画家は本作以外にも数点この主題を描いていることが知られている。



【父なる神より受冠される聖母マリア】
聖母戴冠を祝福する天使たち。明瞭な線描と豊かな色彩を用いながら深い精神性を携えた静謐さを感じさせる人物描写や聖母マリアの受冠を中心とした左右の対象性が意識された構図が大きな特徴である。



【聖母戴冠を祝福する天使たち】

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