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墓の中の死せるキリスト (Der tote Christus im Grabe)
1521-22年頃 | 31×200cm | テンペラ・板 | バーゼル美術館 |
ホルバインが手がけた宗教画の中で最も有名な作品のひとつ『墓の中の死せるキリスト』。制作された経緯や目的は現在も不明である本作に描かれているのは、解剖学的な見地から磔刑に処され死した受難者イエスの亡骸の3日後の姿である。ホルバインは腐敗による死したイエスの肉体的衰退を、極めて恐々とした写実を以って克明に描写している。この後に復活すべき神の子イエスの肉体のあまりにも絶望的な腐敗と衰退はホルバイン独自の解釈に基づき描かれたと解釈されている。なお本作は文豪ドストエフスキーに多大なインスピレーションを与えたことでも知られ、代表作『白痴』の中で肺病に冒され死の迫る若者イポリートの言葉「この亡骸を目の当たりにしたら、誰一人、その復活を信じることはできないであろう。」として言及されている。
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