2006/07/06掲載
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キリストと姦淫の女(Cristo e l'adultera) 1530-35年頃124×156cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
冷静に呼応するイエス。巨匠ティツィアーノと並び称される16世紀ヴェネツィア派の代表的な画家ロレンツォ・ロットの残した宗教画作品の傑作である本作に描かれる主題は≪キリストと姦淫の女≫で、しばしばマグダラのマリアと混同させる。
【冷静に呼応するイエス】
罪を悔い嘆く姦通の罪の女。本作の主題≪キリストと姦淫の女≫は、イエスを陥れるために姦通の罪を犯した女の処罰を律法学者やファリサイ派の者がイエスに問う場面で、イエスは「あなたたちの中で罪を犯したことの無い者が、まず最初にこの女へ石を投げよ」と言い放ち、これを退けた。
【罪を悔い嘆く姦通の罪の女】
イエスへ処罰を問う律法学者やファリサイ派の者。本作では律法学者やファリサイ派の熱気を帯びた高ぶる感情と対称的に冷静に呼応するイエスや、罪を悔い嘆く女の感情表現が、豊かで鮮烈な色彩によって見事に表現されている。
【律法学者やファリサイ派の者】 |