2004/10/25掲載
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キリストの磔刑(Crocifissione) 1426年頃83×63cm | テンペラ・板 | カポディモンテ国立美術館
エルサレムの処刑場で磔刑に処されるキリスト。『キリスト』とはヘブライ語のマーシーアッハ(メシア=救世主の意)からギリシャ語訳「クリストス」を転じた言葉で、本来は油を塗られた者を意味する王に与えられた称号であった。
【磔刑に処されるキリスト】
我が子の姿に悲観する聖母マリア。聖母マリアの視線の先には刑に処されるキリストに跪く十二使徒のひとりで福音書記者でもあるキリストに最も寵愛された弟子ヨハネの姿が描かれる。
【我が子の姿に悲観する聖母マリア】
キリストの姿を見て祈りを捧げる聖母の母アンナ。本作に配される人物の迫真に迫る表情や、大胆なポーズなどで表される感情の表現が、作品により一層の臨場感と神聖性を与えている。
【祈りを捧げる聖母の母アンナ】 |