Description of a work (作品の解説)
2004/10/25掲載
Work figure (作品図)
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キリストの磔刑

 (Crocifissione) 1426年頃
83×63cm | テンペラ・板 | カポディモンテ国立美術館

1426年2月19日から制作が開始されたと記録が残っているピサのカルミネ聖堂内礼拝堂のために描かれた多翼祭壇画より最も重要な中央上部分『キリストの磔刑』。公証人ジュリアーノ・ディ・コリーノ・デリ・スカルシ・ダ・サン・ジェストの依頼により制作された本作は、現在までに11点確認されている多翼祭壇画に描かれた聖話のひとつでキリストがエルサレムで磔刑に処される場面を描く≪キリストの磔刑≫を主題に制作されている。他にも聖パウロや聖ヒエロニムス、東方三博士の礼拝などが各部分の主題として描かれた。また制作記録からは初期ルネサンス三大芸術家のひとり、彫刻家ドナテッロとの交友も確認されいるなど、マザッチョを研究する上でも重要な作品でもある。本作に配される人物の迫真に迫る表情や、大胆なポーズなどで表される感情の表現が、作品により一層の臨場感と神聖性を与えている。エルサレムの処刑場で磔刑に処される主イエスの別呼称名である『キリスト』とは、ヘブライ語のマーシーアッハ(メシア=救世主の意)からギリシャ語訳「クリストス」を転じた言葉で、本来は油を塗られた者を意味する王に与えられた称号であった。聖母マリアの視線の先には刑に処されるキリストに跪く十二使徒のひとりで福音書記者でもあるキリストに最も寵愛された弟子ヨハネの姿が描かれる。


【全体図】
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エルサレムの処刑場で磔刑に処されるキリスト。『キリスト』とはヘブライ語のマーシーアッハ(メシア=救世主の意)からギリシャ語訳「クリストス」を転じた言葉で、本来は油を塗られた者を意味する王に与えられた称号であった。



【磔刑に処されるキリスト】
我が子の姿に悲観する聖母マリア。聖母マリアの視線の先には刑に処されるキリストに跪く十二使徒のひとりで福音書記者でもあるキリストに最も寵愛された弟子ヨハネの姿が描かれる。



【我が子の姿に悲観する聖母マリア】
キリストの姿を見て祈りを捧げる聖母の母アンナ。本作に配される人物の迫真に迫る表情や、大胆なポーズなどで表される感情の表現が、作品により一層の臨場感と神聖性を与えている。



【祈りを捧げる聖母の母アンナ】

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