Description of a work (作品の解説)
2004/09/20掲載
Work figure (作品図)
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聖家族と幼児洗礼者ヨハネ(トンド・ドーニ)

 1504-06年頃
(Sacra Famiglia con san Giovannino (Tondo Doni))
120×120cm | テンペラ・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

フィレンツェ滞在時ドーニ家から依頼され制作された、ミケランジェロの板絵として唯一確実な帰属が判明しているこの『聖家族と幼児洗礼者ヨハネ』、通称トンド・ドーニ。主題は聖母マリアとキリストを中心に聖人を配する構図≪聖家族≫で、本作は聖母マリアの夫聖ヨセフを描いているのが特徴。システィーナ礼拝堂の天井画最後の審判と同様、画家ミケランジェロの画業を研究する上で、本作は最も重要な作品のひとつ。我が子を見上げる聖母マリアの表情は愛情と崇敬の念に満ちているのと同時に、母(または人)としての力強さが、彫刻家であるミケランジェロならではの人体表現によって表現されている。本作では聖ヨセフと聖母マリアの姿は律法化の世界(旧約世界)を表現しているとされているとされ、幼子イエスは新約の世界、つまり恩恵の世界を表現しているとし、また背後に描かれる裸体の青年群像は異教的な世界を表すとされている。そして裸体の青年群像と聖家族の間に位置する洗礼者聖ヨハネは、異教的世界とキリスト教世界の仲介を為す存在として描かれた。


【全体図】
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右肩越しにキリストを夫ヨセフに渡す聖母マリア。我が子を見上げるその表情は愛情と崇敬の念に満ちているのと同時に、母(または人)としての力強さが、彫刻家であるミケランジェロならではの人体表現によって表現されている。



【夫ヨセフにキリストを渡すマリア】
幼子キリストをその腕に抱える老いた聖ヨセフの姿。本作では、この聖ヨセフと聖母マリアの姿は律法化の世界(旧約世界)を表現しているとされている。



【老いた聖ヨセフの姿】
聖ヨハネに抱えられる幼子イエス。ここでの幼子イエスは新約の世界、つまり恩恵の世界を表現しているとし、また背後に描かれる裸体の青年群像は異教的な世界を表すとされている。



【抱えられるキリスト】
聖家族を見上げる幼き姿の洗礼者聖ヨハネ。裸体の青年群像と聖家族の間に位置する洗礼者聖ヨハネは、異教的世界とキリスト教世界の仲介を為す存在として描かれた。



【洗礼者聖ヨハネ】

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