Description of a work (作品の解説)
2004/09/21掲載
Work figure (作品図)
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カニジャーニの聖家族

 (Sacra Famiglia Canigiani) 1507年
(Sacra Famiglia con i santi Elizabetta e Giovannino)
131×107cm | 油彩・板 | アルテ・ピナコテーク

現在ドイツはミュンヘンのアルテ・ピナコテークが所蔵するラファエロ制作の聖家族作品『カニジャーニの聖家族』。この名称は、最初に所蔵していたフィレンツェの一族に由来し、その後メディチ家を経由して、ドイツへと渡ってきた。主題は聖母子と、聖母の母聖アンナ、父聖ヨアヒム、洗礼者聖ヨハネを描いた≪聖会話≫で聖母は大地に腰を下ろし、謙譲の意を表している。また本作は、鮮やかな色調や構図的なバランスなど、後のアカデミズムに通ずる作風となっている。聖アンナの左上部に描かれる遠景部分の町並みからわかるように、色彩の諧調に支配された色の微妙な変化と、透明感に富んだ大気の表現は、北方に由来していると考えられている。洗礼者聖ヨハネと幼子キリストは両者とも幼子として描かれながらも、互いの関係や信頼性、キリストの正当性を、ラファエロは外枠(世界)として描かれた三角形に配されるの大人(聖母マリア、聖アンナ、聖ヨアヒム)の中心に表現した。


【全体図】
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ラファエロらしく細部まで明瞭に描かれた聖母マリア。ラファエロが描く聖母子像の典型であった、聖母子と洗礼者聖ヨハネを三角形の構図で配置する方法と同様に、この作品の主題≪聖家族≫は描かれている。



【細部まで明瞭に描かれた聖母】
洗礼者聖ヨハネを抱き、言葉を発する聖母の母、聖アンナ。聖アンナの左上部に描かれる遠景部分の町並みからわかるように、色彩の諧調に支配された色の微妙な変化と、透明感に富んだ大気の表現は、北方に由来していると考えられている。



【聖母の母、聖アンナ】
互いに聖布の端を手にする洗礼者聖ヨハネと幼子キリスト。両者とも幼子として描かれながらも、互いの関係や信頼性、キリストの正当性をラファエロは外枠(世界)として描かれた三角形に配されるの大人(聖母マリア、聖アンナ、聖ヨアヒム)の中心に表現した。



【洗礼者聖ヨハネと幼子キリスト】

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