Description of a work (作品の解説)
2004/09/11掲載
Work figure (作品図)
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小椅子の聖母

 (Madonna della Seggiola) 1514年
直径71cm | 油彩・板 | ピッティ美術館(フィレンツェ)

おそらくラファエロの作品で最も愛されているものの一つであろう傑作『小椅子の聖母』。メディチ家の旧蔵で、数多くの模写が確認されている本作は、美しく豪華な額縁の中、こちらを見つめ微笑みを浮かべる聖母子像を描いたトンド(円形画)形式による作品である。本作の聖母マリアの母性に溢れる画面展開やモデルについては諸説唱えられているものの、画家が街である母親が赤子を抱き、傍らに子供が立つ光景を目撃し、それを近くに落ちていた古いワイン樽の蓋(または底)を画面の代用して描いたとする説や、画家の愛人と両者の間に生まれた子供とする説が一般的である。本作の聖母マリアと幼子イエス、洗礼者幼児聖ヨハネは、やや円形の画面内へ押し込まれるように配されるものの、その美しく高潔でありながら、幼児らの愛らしさと聖母の(官能的とも受け取れる)若々しい女性美の表現は圧巻の一言であり、特に聖母マリアの観る者へと向けられる視線の魅力は当時から観る者の目を惹きつけた。


【全体図】
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美しく愛情に満ちたこの聖母の表情こそ、聖母の画家と呼ばれた所以である。この聖母と幼子イエスに今でも数多くの人々が魅了されている。



【愛情に満ちた聖母の表情】
カラダつきも彼の作品らしく丸みを帯び、配色も緑→赤→黄→青と画面の中央に暖色を持ってくることによって、より作品の印象をよりあたたかいものにしている。



【丸みを帯びたカラダ】

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