2004/09/21掲載
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キリストの変容(Trasfigurazione)1518-1520年405×278cm | 油彩・板 | ヴァティカン宮美術館(ローマ)
弟子を率いてガリヤラのタボール山に登り、キリストが丘の上に立ったとき、身体が輝きを発し上空に浮かび、両脇からモーセとエリヤ(旧約聖書に出てくる人物)が現れ、天から「これは我が子(神の子)なり」と告げられた。新約聖書に記されるその劇的な一場面を、画家は鮮やかな色彩と巧みな構図で描いた。
【天の声を聞くキリスト】
己が神であることを示したキリストを目の当たりにし、地上にひれ伏す弟子たち。キリストの変容では通常、聖ペテロ、聖ヤコブ、聖ヨハネの三人が弟子として描かれる。
【地上にひれ伏す弟子たち】
神であることを示したキリストから発せられる輝かしい光に、手をかざし地上にひれ伏した聖ペテロ。聖ペテロはキリスト十二弟子の筆頭とされ、カトリック教会では初代教皇とされる。
【地上にひれ伏した聖ペテロ】
悪魔に取り憑かれた少年を表す画面下部は、ラファエロの死後、弟子であったジュリオ・ロマーノの手により描かれ完成されたと考えられていたが、本作の修復をおこなう過程で、ほぼラファエロの直筆であったことが判明した。
【悪魔に取り憑かれた少年】 |