2008/12/24掲載
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聖母の結婚(Sposalizio della Vergine) 1504年頃170×117cm | 油彩・画布 | ブレラ美術館(ミラノ)
貞淑な表情を浮かべる聖母マリア。本作はラファエロが21歳の時に、当時の権力者アルビッツィーニ家の依頼により、ペルージャ近郊チッタ・ディ・カステッロのサン・フランチェスコ聖堂サン・ジュゼッペ礼拝堂のための祭壇画として制作された作品である。
【貞淑な表情を浮かべる聖母マリア】 神の意思を厳粛に受け止める夫ヨセフと司祭長。本作に描かれる主題は、聖母マリアが14歳の時に、聖告に従い国中の独身者を集める中、大工ヨセフの手にする杖の先に花が咲き、聖母マリアの夫として選定された後、両者で結婚の儀式をおこなう場面≪聖母マリアの結婚≫である。
【神の意思を受け止める夫ヨセフ】
聖母マリアの指に填められようとしている指輪。画面中央より左側に聖母マリアと5人の処女たちが配され、画面右側には夫ヨセフと選定に漏れた多くの独身者たちが描き込まれている。そして画面の中央では司祭長が聖母マリアと夫ヨセフの手を取り婚姻の印となる指輪を(聖母マリアの手の先へ)近づけている。
【聖母マリアの指に填められる指輪】 【完璧な空間的把握と自然的な描写】 |