2006/03/17掲載
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ピラトの前のキリスト(Cristo davanti a Pilato) 1565-67年515×380cm | 油彩・画布 | サン・ロッコ同信会館 関連:デューラー作『ピラトの前のキリスト(小受難より)』
総督ピラトの前に立つ受難者イエス。ヴェネツィアのサン・ロッコ同信会館聖堂内の壁画装飾として制作された本作は、『キリストの磔刑』と同じく白眉の出来栄えを見せており、名実ともに画家の代表作として広く認知されている。
【総督ピラトの前に立つ受難者イエス】
自身の手を洗いイエスの極刑に何も関係が無いことを示す提督ピラト。本作の主題≪手を洗うピラト(ピラトの審問)≫は、イエスの極刑を望む大司祭カイアファとユダヤの民衆が過越祭としてイエスか殺人罪の死刑囚バラバのどちらかを放免すると問われ放免者にバラバを選び、イエスを極刑に判決する場面を指す。
【自身の手を洗う提督ピラト】
極めて大胆に洗練されたティントレット独自の表現様式。ドイツ・ルネサンスの巨匠デューラーの木版画『小受難よりピラトの前のキリスト』に着想を得ていることが知られている本作は、受難者イエスの儚げに輝く後光や、それとは対照的に豪華な大理石を使用した総督ピラトの住む神殿、群れをなして詰め寄る民衆の熱狂的な表現などには、ティントレットの極めて大胆に洗練された独自の様式がよく示されている。
【洗練されたティントレットの表現様式】 |