Description of a work (作品の解説)
2004/09/26掲載
Work figure (作品図)
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ピエタ

 (Pieta) 1570年頃-1576年絶筆
353×348cm | 油彩・画布 | アカデミア美術館(ヴェネツィア)

ティツィアーノが自らの墓所に選んでいたサンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ聖堂のクロチェフィッソ礼拝堂の祭壇画にと描いていた作品『ピエタ』。主題となるキリストとその死を嘆く聖母マリアの姿を表現した本作の≪ピエタ≫で聖母マリアは、光輪の指すキリストを悲観の表情で見つめ、その手に主イエスの亡骸を抱いている。また本作には腕を上げ主イエスの死を嘆くマグダラのマリアやダルマチア(クロアチア共和国のアドリア海沿岸地方)生まれのキリスト教の聖人で、ラテン教会四大神父のひとり。シリアの砂漠で修行し、ベツレヘムにて聖書のラテン語訳に従事(ウルガータ訳聖書の作成)したとされる聖ヒエロニムスが描かれている。1570年頃から制作され始めたとされる本作は1576年、ティツィアーノの死により絶筆となったが、弟子のヤコポ・パルマ・イル・ジョーヴァネが完成させた。それを示す画面最下部中央に「QVOD TITIANVS INCHOATVM RELIQVIT / PALMA REVERENTER ABSOLVIT / DEOQ. DICAVIT OPVS(ティツィアヌス未完にて遺せし故に、恐れ多くもパルマ完成し、神に奉納せしものなり)」と記されている。また本作は最終的にサンタンジェロ聖堂へ安置された。


【全体図】
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本作の主題となる、キリストとその死を嘆く聖母マリアの姿を表現する≪ピエタ≫。光輪の指すキリストを悲観の表情で見つめ、その手に亡骸を抱く聖母マリアの姿は、見るものの心を打つ。



【聖母とキリスト】
悲嘆に暮れるマグダラのマリア。マグダラのマリアは本主題の他にも、十字架上で死すキリストを描く≪キリストの磔刑≫の場面や、キリストの墓に亡骸がないことを知る≪キリストの墓を訪れる聖女たち≫などの場面にも登場する。



【マグダラのマリア】
キリストの亡骸に縋る聖ヒエロニムス。聖ヒエロニムスとはダルマチア(クロアチア共和国のアドリア海沿岸地方)生まれのキリスト教の聖人で、ラテン教会四大神父のひとり。シリアの砂漠で修行し、ベツレヘムにて聖書のラテン語訳に従事(ウルガータ訳聖書の作成)したとされる。



【主の亡骸に縋る聖ヒエロニムス】

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