2008/07/02掲載
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眠る幼児キリスト(キリストの降誕)(Sommeil de l'enfant Jésus) 1758年 117×89cm | 油彩・画布 | プーシキン美術館(モスクワ)
聖母マリアの腕の中で眠る幼子イエス。1759年のサロン出品作である本作の主題は、父なる神の意思により降誕した神の子イエスと、幼子イエスを抱く聖母マリアを描く≪聖母子≫で、当時のフランスで最も著名な思想家(哲学者)のひとりドゥニ・ディドロも、表現の点においては強く認める文章を残している。
【聖母マリアの腕の中で眠る幼子イエス】
視線を画面の外へと向ける聖母マリアの甘美な表情。画面中央左側やや下に籠から出され聖母マリアの腕の中で眠る幼子イエスがあどけない表情を浮かべており、聖母マリアは慈しむように我が子を抱きながら視線を画面の外へと向けている。
【視線を画面の外へと向ける聖母マリア】
葡萄と麦の穂を手にする洗礼者幼児聖ヨハネ。聖ヨハネが手にする葡萄は永遠の生命や主イエスの血(聖餐時の葡萄酒に由来する)そしてイエス自身を、麦の穂はパンの原料となることから主イエスの受肉(聖体の象徴)を意味している。
【葡萄と麦の穂を手にする幼児聖ヨハネ】 |