2008/11/04掲載
■
キリスト昇天祭の日の御座舟の帰還1730-35年頃(Ritorno del bucintoro al Molo nel giorno dell'Ascensione) 76.8×125.4cm | 油彩・画布 | ウィンザー城王室コレクション 本祭事の主役となる総督(統領)が乗った豪華なブチントーロ。本作はヴェネツィアの大運河の情景を描いた14点から構成される連作の中の1点で、ヴェネツィアで「海と結婚の日(センサの祭り)」とも呼称される≪キリスト昇天祭≫で最も感動的な場面のひとつである≪御座舟の帰還≫を描いた作品である。
【総督が乗った豪華なブチントーロ】 本祭事の見物人などを乗せた小さな小船。画面手前の近景にはこの祭事の見物人などを乗せた小さな小船が狭い間隔で配されており、観る者も≪御座舟の帰還≫に参加しているかのような感覚を与える。
【見物人などを乗せた小さな小船】
細密な筆致で描き込まれる街並み。カナレットは本場面≪御座舟の帰還≫を画題とした景観画(風景画)を生涯の中で数多く手がけているが、ヴェネツィア絵画の熱心な収集家のひとりであった英国のスミス領事が手に入れた本作は、その初期の代表的な作品として広く知られている。
【細密な筆致で描き込まれる街並み】 |