2009/04/20掲載
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ビリヤードの勝負(La partie de billard) 1721-25年頃55×82.5cm | 油彩・画布 | カルナヴァレ美術館(パリ)
今まさに玉を突かんとする白服の男性。シャルダン20歳頃に手がけられたと推測される、現存する画家の作品中、最初期の作品として位置付けられる本作は、18世紀パリの若者の間では最も一般的な遊戯のひとつであった≪ビリヤード≫を画題に制作された作品である。
【玉を突かんとする白服の男性】
従者にワインを注がせながら動向を見守る対戦者。既存の作品には類のない画題から、かつて本作は他の画家の作品に帰属されていたものの、画家の父親がビリヤード台を手がける家具職人(指物師)であった点など、その後の多岐にわたる考証の結果、本作はシャルダンの真作として認知されることとなった。
【動向を見守る対戦者】 ビリヤード台を照らす複数の反射鏡。ビリヤード台の真上となる画面のほぼ中央には夜間でも遊戯をおこなうための反射鏡(※中に蝋燭を灯し、その灯火を反射させるランプの一種)が複数描かれており、当時の風俗性を存分に感じさせる。
【ビリヤード台を照らす複数の反射鏡】 |