2009/02/08掲載
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素描する若い学生(素描する画学生)(Un jeune écolier qui dessine) 1735-1738年頃 19.5×17.5cm | 油彩・板 | ストックホルム国立美術館 関連:対画 『刺繍する女(綴り織りをする女)』 壁に貼られた裸体素描を一心に模写する若い画家。かつては『芸術の基礎』とも呼称されていた本作は、おそらくアントワーヌ・ド・ラ・ロックの依頼により『刺繍する女』と共に制作された作品で、双方とも1738年にはサロンへ出品されている。
【裸体素描を一心に模写する若い画家】
簡素な壁に貼られた一枚の裸体素描。小品ながらカルトンの間に僅かに覗く澄んだ青色や観る者の眼を惹きつける若い画家の朱色の衣服など細かい箇所まで計算を重ねながら効果的に配色されており、全体として極めて高い完成度を示している。
【簡素な壁に貼られた一枚の裸体素描】
シャルダンの技量を感じさせる細かな筆捌き。素朴的で庶民的な作業や労働の姿が描かれる本作で注目すべき点は本作『素描する若い学生』、対画『刺繍する女』の対照性で、両作品を左右に並べた時には見事なシンメトリーが形成される。
【技量を感じさせる細かな筆捌き】 |