Description of a work (作品の解説)
2007/12/23掲載
Work figure (作品図)
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羽根を持つ少女(羽子を持つ少女、ラケットを持つ少女)


(Petite fille jouant au volant (Fillette au volant)) 1737年
81×65cm | 油彩・画布 | 個人所蔵

ロココ美術の大画家ジャン・シメオン・シャルダンの代表作『羽根を持つ少女』。羽子を持つ少女、ラケットを持つ少女とも呼ばれる本作は、羽根を左手に、ラケットを右手に持つ少女を描いた作品で、画家が幾度も手がけ、複数のヴァリアントが知られている『カードのお城』と対画で制作された(本作の対画はワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する『カードのお城』)。本作に描かれる少女のモデルは現在も不明であるが、硬直したかのような表情、微動だにしない少女の直立的な姿態には、あたかも単純化される造形の美しさを表現したかのように、画家の形状に対する明確な理念が表れている。特に円錐形の胴体と、円筒形の腕、球形の頭部と腰のスカートの明快な美的形状は本作で注目すべき点のひとつでもある。さらに少女のやや緊張している様子の愛くるしい表情や、背景に何も描かないことによる対象(少女)の集中的な描写や表現も大きな見所である。また本作に描かれる羽根とラケットは、それによっておこなわれる遊戯への≪移ろいゆく、つかの間の儚い快楽≫、遊戯には必要の無い腰に下げられる鋏と針刺は、先の≪儚い快楽≫に対する≪無用≫もしくは≪労働と義務≫と、本作には画家の寓意的な意図が込められているとの説も唱えられている。なお本作はかつてエカテリーナ二世が所有していたものの、現在ではフランスの個人が所有している。

関連:ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵 『カードのお城』


【全体図】
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やや緊張気味な表情を浮かべる少女。羽子を持つ少女、ラケットを持つ少女とも呼ばれる本作は、羽根を左手、ラケットを右手に持つ少女を描いた作品で、画家が幾度も手がけ、複数のヴァリアントが知られている『カードのお城』と対画で制作された。



【やや緊張気味な表情を浮かべる少女】
少女が持つ遊戯用の羽根。また本作に描かれる羽根とラケットは、それによっておこなわれる遊戯への≪儚い快楽≫、遊戯には必要の無い腰に下げられる鋏と針刺は、先の≪儚い快楽≫に対する≪無用≫もしくは≪労働と義務≫と、本作には画家の寓意的な意図が込められているとの説も唱えられている。



【少女が持つ羽根】
単純化される造形の美しさ。描かれる少女のモデルは現在も不明であるが、硬直したかのような表情、微動だにしない少女の直立的な姿態には、まるで単純化される造形の美しさを表現したかのように、画家の形状に対する明確な理念が表れている。



【単純化される造形の美しさ】
少女の腰に下げられる鋏と針刺。少女のやや緊張している様子の愛くるしい表情や、背景に何も描かないことによる対象(少女)の集中的な描写や表現も大きな見所である本作は、かつてエカテリーナ二世が所有していたものの、現在ではフランスの個人が所有している。



【少女の腰に下げられる鋏と針刺】

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