2008/07/25掲載
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マリー=マドレーヌ・ギマールの肖像(Portrait de Marie-Madeleine Guimard) 1769-70年頃 81.5×65cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
複雑な感情を思わせるギマールの表情。フラゴナールが1769-70年頃、連続的に手がけた幻想的肖像画と呼ばれる肖像画群のひとつである本作は、当時、国内で非常に人気のあった踊り子であった≪マリー=マドレーヌ・ギマール≫の上半身を描いた作品である。
【複雑な感情を思わせるギマールの表情】
速筆的な筆触による軽やかで流動的な表現。マリー=マドレーヌ・ギマールは常に複数の愛人を抱えるほど多くの男性遍歴を重ねていた(フラゴナールもそのひとりに数えられている)、コケティッシュな魅力に溢れる踊り子であったと伝えられている。
【速筆的な筆触による軽やかな表現】 衣服に用いられた濃赤色と渋緑色の色彩的対比。ギマールの表情は憂いを帯びているようにも、媚びて(挑発して)いるようにも、更にはその心の奥底では男たちを見下しているようにも見え、ギマールの複雑で人間味に溢れた女性ならではの精神的な内面を見事に描写している。
【濃赤色と渋緑色の色彩的対比】 左手に握られるデッサン紙の束らしき物。ギマールの右手には手紙(又はトランプや紙の束)と思われる物、左手には何かが描かれたデッサン紙の束らしき物が握られており、これらは彼女の行動や思想、性格を象徴していると推測されている。
【左手に握られる紙の束らしき物】 |