2008/12/05掲載
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手紙を読む婦人(思い出)(La Lettre) 1776年頃38×30cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(米国) 微睡にも似た柔らかく穏やかな表情。薄っすらと笑みを浮かべながら手紙の内容に視線を向ける頬を赤く染めた若い婦人が描かれており、その微睡にも似た柔らかく穏やかな表情は、本作の別名称となる『思い出』に浸っているようにも見える。
【微睡にも似た柔らかく穏やかな表情】
素早く動きを感じさせる画家独特の筆触。頭部にハイライトを描き込みつつ、顔面には薄影を落すという陰影表現は、光の効果を人物の感情表現(そして画面の雰囲気の表現)へ最大限に活かした手法であり、フラゴナールの繊細ながら非常に計算された構成を見出すことができる。
【動きを感じさせる画家独特の筆触】
若い婦人が手にする手紙。本作は肘を突きながら頬に手を当て手紙を読む若い婦人を単身で描いた作品で、本主題≪手紙を読む婦人≫は画家が強く影響を受けていたことが判明している17世紀オランダ絵画黄金期にしばしば登場した主題でもある。
【若い婦人が手にする手紙】 |