Description of a work (作品の解説)
2008/12/28掲載
Work figure (作品図)
■ 

ファエトンの墜落

 (Caduta Fetonte) 1703-1704年
377×277cm | 油彩・画布 | ベッルーノ市立美術館

18世紀ヴェネツィア派の画家セバスティアーノ・リッチの代表的な作例のひとつ『ファエトンの墜落』。本作に描かれる主題は、太陽神アポロンの息子ファエトンが父アポロンから(太陽を運ぶ)日輪の馬車を強引に借りて、天道を翔けるものの、日輪の馬車が暴走し大地の火山を次々に炎上噴火させてしまい、最後には主神ユピテルが日輪の馬車に雷を落して止めるが、同時にファエトンも炎に包まれ命を落してしまうという神話『ファエトンの墜落』である。画面右上に神々しい光を放ちながら偉大なる力によって雷を落す主神ユピテルが配されており、掲げられる右手には一筋の雷が握られている。画面中央やや下にはユピテルの放った雷によって地上へと墜落する太陽神アポロンの息子ファエトンと四頭の馬が躍動的な姿態で配されており、特に二頭の白馬の荒々しい動きや黒馬の見開かれた瞳の表情は観る者に強い感銘を与える。本作の劇的でドラマチックな場面描写や明確な陰影表現は明らかにバロック様式を踏襲しているが、本作の豊潤で華々しいな色彩描写はヴェネツィア派の表現様式を見出すことができる。また本作の非常に正確な写実的表現や難易度の高い視点による見事な画面構成にはセバスティアーノ・リッチの類稀な技巧性とその才能を存分に感じ取ることができる。


【全体図】
拡大表示
偉大なる力で雷を落す主神ユピテル。本作に描かれる主題は、太陽神アポロンの息子ファエトンが日輪の馬車で天道を翔けるものの、日輪の馬車が暴走し大地の火山を次々に炎上噴火させてしまい、最後には主神ユピテルが日輪の馬車に雷を落して止めるという神話『ファエトンの墜落』である。



【偉大なる力で雷を落す主神ユピテル】
墜落する太陽神アポロンの息子ファエトン。画面中央やや下にはユピテルの放った雷によって地上へと墜落する太陽神アポロンの息子ファエトンと四頭の馬が躍動的な姿態で配されており、特に二頭の白馬の荒々しい動きや黒馬の見開かれた瞳の表情は観る者に強い感銘を与える。



【墜落するファエトンの姿】
白馬の荒々しい動き。本作の劇的でドラマチックな場面描写や明確な陰影表現は明らかにバロック様式を踏襲しているが、本作の豊潤で華々しいな色彩描写はヴェネツィア派の表現様式を見出すことができる。



【白馬の荒々しい動き】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ