2011/03/21掲載
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偶像を崇拝するソロモン(Salomone adora gli idoli) 1724年128×151cm | 油彩・画布 | サバウダ美術館(トリノ)
妄信的な老ソロモンの姿。本作はトリノのサヴォイア家ヴィットーリオ・アメデオ王の依頼により、トリノ王宮内にある王妃の部屋の装飾画として制作された作品で、主題には旧約聖書列王記上11章より、古代イスラエル第3代王であり、知恵者としても名高い≪ソロモン≫が異教の神(偶像)を崇拝してしまう場面が主題に選定されている。
【妄信的な老ソロモンの姿】
異教の神像を指し示す若き妻。妄信的な老ソロモンの眼差しにはイスラエルの王の中で最も英知に富んだ賢明な知恵者としての面影を感じることはできない。そしてソロモンの背後には美しく肉感豊かな若き妻が柔らかな表情を浮かべながら右手で偶像を指し示している。
【異教の神像を指し示す若き妻】
宮殿内に置かれる偶像。本作の輝きを帯びた華麗で繊細な色彩描写や登場人物の流れるような運動性なども秀逸の出来栄えを示しているが、本作で最も注目すべき点は場面全体の構図形成にある。
【宮殿内に置かれる偶像】 |