2008/08/20掲載
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聖アガタの殉教(The martyrdom of St. Agatha) 1750年頃184×131cm | 油彩・画布 | ベルリン国立絵画館
必死に天を仰ぐ聖アガタの悲痛的な表情。天へと視線を向け、自身の耐え難い苦痛を堪えながら一心に己の信仰を受難者である主イエス(そして父なる神)に示す聖アガタの姿は、観る者に深い感動と宗教的精神性を強く感じさせる。
【天を仰ぐ聖アガタの悲痛的な表情】
鮮血が流れる聖アガタの胸部。画面中央からやや左寄りに鉄鋏で乳房を切り落された惨々しい聖アガタが女に胸部を抑えられながら懸命に神へと祈りを捧げる姿が配されており、その周囲には執行人や、聖アガタの乳房が乗せられた盆を持つ人物、拷問の執行を目撃する民衆らが描かれている。
【鮮血が流れる聖アガタの胸部】
聖アガタの乳房の乗せられた盆。かつてレンディナラの聖アガタ聖堂の祭壇に安置されていた本作に描かれる主題は、鉄鋏で乳房を切り取られるなど数々の拷問を受けた後に殉教(昇天)したとされる3世紀シチリア島カターニャ出身の聖女≪聖アガタ≫の殉教である。
【聖アガタの乳房の乗せられた盆】 |