2009/07/19掲載
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赤髭王フリードリヒ1世に花嫁ブルグンドのベアトリクスを導く太陽神アポロン(Apollo che conduce al Barbarossa la sposa, Beatrice di Burgundia) 1751-53年約900×1800cm | 油彩・画布 | ヴュルツブルク司教館
太陽神アポロンに導かれながら皇帝フリードリヒ1世の許へと向かう花嫁ベアトリクス。本作は当時のヴュルツブルク司教の依頼により≪ヴュルツブルク司教館≫の「皇帝の間」の天井装飾画としてティエポロが同地へ赴き制作したフレスコ画である。
【皇帝の許へと向かう花嫁ベアトリクス】
戦車(馬車)を曳く白馬のイリュージョン的でダイナミズムに溢れた表現。本作の主題には初代ヴュルツブルク司教であり、身体的特徴から赤髭王(バルバロッサ)とも呼称された神聖ローマ皇帝≪フリードリヒ1世≫と、ブルグント伯ライナルト3世の娘ベアトリクス・フォン・ブルグントの(政略的)婚姻場面が選定された。
【白馬のイリュージョン的な表現】 花嫁ベアトリクスの到着を待つ皇帝フリードリヒ1世。正確な遠近法や得意の仰視法などを用いたイリュージョン(錯覚)的でダイナミズムに溢れた画面構成と空間構築、清々しく明瞭な色彩と軽やかで奔放な筆触による幻想性に溢れた主題の表現などは、画家の画業の中でも最も優れた出来栄えを示している。
【ベアトリクスを待つフリードリヒ1世】 |