Description of a work (作品の解説)
2008/12/08掲載
Work figure (作品図)
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アントニウスとクレオパトラの出会い


(Incontro di Antonio e Cleopatra) 1747-50年頃
約650×300cm | フレスコ | パラッツォ・ラビア(ヴェネツィア)

18世紀イタリア絵画最大の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロが手がけたフレスコ画の傑作『アントニウスとクレオパトラの出会い』。建築枠組みの専門家メンゴッツィ・コロンナの協力を得てヴェネツィアの新興貴族であったラビア家の所有するパラッツォ・ラービアの装飾画として制作された本作は、古代エジプトプトレマイオス朝最後の女王クレオパトラ7世フィロパトルがユリウス・カエサルの死後、その部下であった古代共和政ローマの政治家(兼軍人)マルクス・アントニウスの命令により同氏とタルスで出会う場面を描いた作品である。画面中央から左側にはタルスに上陸する豪華な衣服に身を包みまるで女神のような装いのクレオパトラと、クレオパトラの美しさに一目で魅了させ、手を差し伸べながら付き添うアントニウスの姿が描かれており、その周囲には大勢の侍女たちや部下、民衆などが配されている。画面右側には一匹の犬を連れた黒人の少年が描かれ、画面上部にはタルスまでの航海で乗ってきた豪華な船と乗船者が描き込まれている。コロンナによる古代的で豪壮な石柱と連動するような舞台的な場面展開がおこなわれている本作で最も注目すべき点は、やはり画家独特の空気的な色彩表現にある。繊細に陰影を描写しながら、あたかも色彩の中へ光を閉じ込めたかのような透明感に溢れる軽快で華麗絢爛な色彩は、ティエポロによるフレスコ画表現のひとつの到達点を示しており、歳月の経過によってやや色褪せてはいるものの、今も観る者を魅了し続けている。なお本作の対面には当時ヴェネツィアで好まれていた主題『クレオパトラの饗宴』が描かれている。

関連:『クレオパトラの饗宴』


【全体図】
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古代エジプトの女王クレオパトラと手を差し伸べるアントニウス。建築枠組みの専門家メンゴッツィ・コロンナの協力を得てヴェネツィアの新興貴族であったラビア家の所有するパラッツォ・ラービアの装飾画として制作された本作は、クレオパトラとアントニウスの出会いの場面を描いた作品である。



【クレオパトラとアントニウスの姿】
クレオパトラが身に着ける豪華な衣服。画面中央から左側にはタルスに上陸する豪華な衣服に身を包みまるで女神のような装いのクレオパトラと、クレオパトラの美しさに一目で魅了させ、手を差し伸べながら付き添うアントニウスの姿が描かれており、その周囲には大勢の侍女たちや部下、民衆などが配されている。



【クレオパトラが身に着ける豪華な衣服】
透明感に溢れる軽快で華麗絢爛な色彩。繊細に陰影を描写しながら、あたかも色彩の中へ光を閉じ込めたかのようなな色彩は、ティエポロによるフレスコ画表現のひとつの到達点を示しており、歳月の経過によってやや色褪せてはいるものの、今も観る者を魅了し続けている。



【軽快で華麗絢爛な色彩】

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